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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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作/長野まゆみ
出版社/大和書房

ReviewWriteDate:2000/12/23
LastUpdate:2000/12/23

Story:
ぼくは生意気でユウウツな中学三年生だ。
この夏、十五歳になる──。
繊細にして傲慢、冷静にして感情的な少年たちの輝かしい季節を描く、とっておきの成長物語。
(帯より)




ヒトコトReview:

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長野的、少年の動向変化?
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■長野まゆみと少年

本の雰囲気は、系統として『白昼堂々』シリーズタイプ。
文も平易で装飾過多ではない、ストレートなもの。
けれど扱う内容はもしかしたら長野まゆみ的深みなのかしら──。

主人公の『ぼく』は小さい頃まで自分を女だと思って育ってきた。
だから未だに自分はそれを混同してしまう。
『ぼく』をこうしてしまった双子の兄姉に反発しながらも自分をひたかくしにして優等生を演じている。
そこに都会から転校生がやってきた──。
と、長野まゆみによくあるパターン。
けれど今回決定的に違うなと思ったのが主人公の意識ではないか? ──読後の印象はそれにつきる。

『白昼堂々』の主人公といっそ同じ性嗜好(男しかダメ)なんだけれど、『ぼく』はそれを隠すべきものとして『自覚』して暮らしている。
それは開き直りではなく、確かに後ろめたさを抱えながら生きているのだ。
『白昼堂々』がそうでないというわけではないが、作者自身がそれを正面きって『うしろめたく』描いているというのが、変化だな──と思ったのだ。

長野まゆみが本質的な意味で少女も女も描かない理由は深いのだろうけれど、それをひとごとのように描いてしまっている『新世界』などとは、趣を異とする。
別段他作品と際立って面白いというわけではないけれど、その点だけ、正直意外に思えたのでした。


■やはりおいしい、兄の存在

今回、やっぱりおいしかったのが兄・十(みつる)の存在。
どうしてこうも兄というのは大きく優しいのでしょう?
姉・百(もも)は太刀打ちできないわ。
カッコよすぎます。
転校生・七月(なつき)との恋愛感情ともつかない思いよりも、兄の存在が勝ってるよね、絶対。

それにしても、幼い頃に見知らぬオジサンに──というオチは、パターンすぎて悲しいわ。
そういう犯罪が多くなっている昨今だからよけいに。
それだけに理由をもたせてお話が解決されちゃうのが、どうも物足りなかったといいますか。
違和感が残ったのは確かです。

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