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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ
音楽/シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナルプロダクション/ウィーン劇場協会
製作/東宝株式会社
製作協力/宝塚歌劇団

演出・訳詞/小池修一郎
東宝プロダクション監修/ウィーン劇場協会

ReviewWriteDate:2000/8/20
LastUpdate:2000/8/27

Cast/
一路真輝(Elisabeth:エリザベート)
内野聖陽(Der Tod:トート/Wキャスト 黄泉の帝王トート)=★今回は内野トート/山口祐一郎(Der Tod:トート/Wキャスト 黄泉の帝王トート)
初風諄(Zophie:ゾフィー 皇太后)/井上芳雄(Rudolf:ルドルフ 皇太子)/寺泉憲(Max:マックス エリザベートの父)/阿知波悟美(Rudovika:ルドヴィカ エリザベートの母)
伊東弘美(Esterhanzy Liechtenstein:リヒテンシュタイン伯爵夫人)/岡田静(fraulein Windisch:ヴィンデッシュ)/シルビア・グラブ(frau Wolf:マダム ヴォルフ)/今拓哉(Elemer Batthyany:エルマー)/塚田三喜夫(furst Schwarzenberg)/治田敦
井上めぐみ/梅村陽子/大川美佳/小野佳寿子/河合篤子/北林優香/栗原朗子/鈴木喬子/鈴樹葉子/長谷川美穂/平澤由美/丸山千津子/伊嬉淑/青柳勝太郎/池田伸一/石山毅
小野泰隆(ルドルフ子役)/北尾亘(ルドルフ子役)/今野桂介(ルドルフ子役)=★今回は今野ルドルフ/高橋徹(ルドルフ子役)
小原和彦/斎藤桐人/酒本朗/砂川直人/竹内耕/野沢聡/藤本隆広/松澤重雄/水野栄治/森田浩平
清水隆伍(Tod Dancer:トートダンサー)/須田英幸(Tod Dancer:トートダンサー)/鴇田芳紀(Tod Dancer:トートダンサー)/繩田晋(Tod Dancer:トートダンサー)/NIRO(Tod Dancer:トートダンサー)/東山義久(Tod Dancer:トートダンサー)/藤浦功一(Tod Dancer:トートダンサー)/吉川哲(Tod Dancer:トートダンサー)
鈴木綜馬(Franz Joseph:フランツ・ヨーゼフ オーストリア皇帝)/高嶋政宏(Luigi Lucheni:ルキーニ 暗殺者)

2000.6.6~8.30 @帝国劇場

Date:
2000/8/19 12:00 1F W23

Note:
日本での公演は宝塚以外でははじめて。日本での『エリザベート』初演は宝塚雪組で一路真輝退団公演であり、一路真輝はその時、黄泉の帝王トートを演じることで最後の男役を締めくくったのだった。今回、その一路真輝がタイトルロールであるエリザベートを演じることで注目の作品。来年の再演も決定。

Story:
19世紀のハプスブルグ帝国を舞台に、皇帝フランツ・ヨーゼフの妃、エリザベートの生涯を描く。(シアターガイドより)
エリザベートは幼い頃ブランコから落ち、意識を失ってしまう。本来ならそこで黄泉の帝王、トートにより命を奪われるはずだった。しかしトート=「死」がこの人間であるエリザベートを愛してしまったことで命を救われる。運命的な出逢い──トートはエリザベートの命を許したのだった。
その後エリザベートはもう一つの運命的な出逢いをする──オーストリア皇帝、フランツ・ヨーゼフ。エリザベートはフランツと結婚しオーストリア皇后となる。その婚礼の日、ふたたび黄泉の帝王、トートが現れエリザベートに迫る──最後のダンスはこの自分と踊るのだ、いつかエリザベートを奪いに来る、と伝えに──。



※アルファベットの役名・歌名はフォントの関係でウムラウト表記は省略しています。
※次のレビューはこちら→エリザベート2000/8/26


ヒトコトReview:

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トート(死)とエリザベート(人間)、いわゆる恋愛に落とし込まれないところがいっそ素敵?
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実はミュージカル観劇は小学生以来のわたし。
さて肌に合うものかもわからぬままいざ帝劇へ──。
今回は友人関係のおかげでA席を1600円でみせていただくことになったのでした。


■いきなりトートダンサー、やられました・・・

オープニング。噂では聞いていたトートダンサーSが登場。
姿形は準主役たるトートと同じ服装、髪(ロングの白金髪)。それがうじゃうじゃと計8名。
彼らには一切台詞がなく、あらゆることに中性的な存在として踊る踊る。(死と生/男と女…)

まー、不気味だと感じる人もいるかもしれないですが、わたしは好きです。
常にトート閣下のそばでうじゃうじゃ(笑)しているのですが(ただしダンスは相当うまい!)、
死をつかさどるのは帝王のみではなくて、人間のまわり、いたるところにふと気づくと死がいる──というのを具現化している。
時に残酷に死を宣告し、時に娼婦のように生きた人間を誘惑し、堕とす──。
宝塚版だとこれがトートをかこむ黒天使、なんだそうです。
解釈がどれぐらい違うかは宝塚版を見てみないと判らないですが。
(演出小池氏は宝塚の演出もしている、宝塚の演出家)


■内野トート

今回はWキャストであるトートは内野さんでした。
前評判をある程度知っていて覚悟はしていたのですが──やっぱり音程ずれてますねえ。
高音部が裏返るというか。
内野さんという人は文学座の舞台役者さんでストレートプレイの人。
ミュージカル初挑戦。
対する山口さんはミュージカル界のスター(なんだそうです)。
どうしたって歌でいきなり勝てるわけはないです。
わたしは今回山口トートは観られないのですが(楽日までチケット完売だそうで。前まであったのに…)
(追記2000/8/27 山口トートチケット手に入れて観てきました)
芝居をする人の視点ではよかったと思う、内野トート。
きっと初日より成長しているんでしょうし。
エリザベートとからんで、立ち去る所作。
背を向けているのだけれど思いはまだ背後のエリザベートに残す、その背中の残し方。
わたしはどきどきしちゃいましたよ。
そういう空気で芝居が出来る人。歌は・・・うーん、がんばれ。
歌は訓練次第でしょ。大人になって絶対音感がどこまでつくかは疑問ですが・・・。
賛否両論ある中、わたしは内野トート、いいんじゃない、その危なっかしさ(危うさ)含めて、と思った。
声がうらがえっても、『Der Letzte Tanz:最後のダンス』のナンバーみたいに迫られたいでしょ、女の子は。

今後ミュージカルの人になるとは思えないけど
内野さんにとってもきっといい経験になるでしょう。普通の芝居が観てみたい。
うーん、文学座かあ・・・(大学の先輩で変な人が文学座にいたんでその印象が・・・)

でも何でトートの『Ich』が『俺』なのかしら──と思った。
なんとなく『わたし』なのかなと思うんだけど。トート閣下のイメージとしては・・・
なれちゃえば『俺』の一人称も気にならなかったですけど、仮にも帝王、ちょっと変な自称じゃないか? と最初はどうも気になってしまいました。
(一応言っておくと『Ich』の意味が『俺』じゃないって言っているわけじゃないです。『I』でも『Ich』でも『我』でもどう訳すかな? この場合・・・という)


■一路エリザベート

普通、エリザベートの方から語らないか? とも思いますが失礼。トートのが色々考えさせられたし(笑)。
歌、うまいの? ──て幼い頃のエリザベートで歌う一路さん見て思ってしまった。
あれは少女時代に無理があるからかもしれないですね。
大人になったエリザベートは情感あって良かったです。
文句無しに美女。ビジュアルでの説得感あり。でも皇后としての気品、女としての強さと脆さ──みたいのは立ち姿だけで演じられている。
天海さん見たときも思ったんですが、宝塚の男役の方が女性演じるとなんともカッコいいのね。


■新星、井上ルドルフ君に注目!

こちらも前評判できいてましたよ──井上君。
若干二十歳、現役東京芸大生(声楽科)ってだけでもおねーさんがたは沸き立つわけですが
容姿も実力もそろっているわけですから。
わたしの座席からだと表情を見ようと思うとオペラグラスが必要だったのですが
井上くん出るたびにまわりが一気にオペラグラス手にするのね。(笑)
わたしもその一人でしたけど──。

普通のお芝居ってオペラグラスで一人見てると全体の動きが見えなくなっちゃうんですが
ミュージカルだから? ソロだのデュエットなどで歌い出すと
とりあえず舞台の動きはそこ集中、いきなり脇から人が出てきて話が動き出すこともないので
ゆっくりとオペラグラスで堪能できます。
歌だけとると、内野トートなんかよりうまい。
そりゃそうです、専門に勉強してるんだし。


■内野トートと井上ルドルフによる『闇が広がる』

『Dir Schatten Werden Langer:闇が広がる』のナンバーは、トートとルドルフのデュエット。
母、エリザベートに冷たくあしらわれ、全てに対して失意のルドルフのもとに、幼い頃現れ「君がよべばいつでも来る」と言っていた謎の男(=トート)が再び現れるシーン。
なんとも色っぽい、ふたりのデュエットです。
というか、私的にはエリザベートに絡んでいるときより魅力的な内野トート。
エリザベートに迫る時ってわりと言葉では「お前を奪う」、態度ではキスを迫るみたいなワンパターンな演出が多くてあんまり変わり映えがしないのですが
ルドルフとのシーンでは誘い、誘われ、迷うような機微が伝わる。

エリザベートの息子だからルドルフを堕とそうとするのか? そんなトート(=死)にそれでも魅入られてゆくのか? のルドルフ。
エリザベートは常に生に貪欲でトートに魅入られたりはしない。
だからトートが一方的に迫っている感じで色気がないのですね。

そういうエリザベートを描こうとしているそうなので正解なんでしょうが、
私的には強くて死は負けだと言い放てるエリザベートの裏には
同時にどうしてもトート(=死)に惹かれる想いがあるはずで──にもかかわらずつっぱねるような、そういう『揺れ』が見たかった。

(『Zwischen Traum und Wirklichekit:夢とうつつの狭間に』がある意味揺れなんでしょうが、トートはいっさい関係ない、思い出しもしていない気がする…)


■死と愛──エリザベートとトート

ルドルフがトートの誘いで死の世界に連れされれた後、エリザベートは初めてトートに負ける。
死んだほうがまし──という思いで。
その時トートは「まだお前は俺を愛していない。だから連れて行かない」というのですが
うわー、かっこいい。そうでなくっちゃ。

エリザベートにとってトートは最後まで愛の対象じゃないわけです。
あくまで、死。終わり。もしかしたら安らぎ。
けれどトートにとってエリザベートは愛。
エリザベートの求める死という『現象』、トートの求める愛という『感情』。
その二つが邂逅することはない──。

それがたまらなく切ないような、でもそやじゃなきゃ嘘だろう、とも思ったり。
宝塚版はふたりは愛し合って天に昇る──といった感じらしいですが、その点、東宝版は夢と愛を売っているわけじゃなくて手厳しいけど現実的で、そこがよい。
(きっと宝塚版もそれはそれでいいんだよね。ビデオで見てみよう)

(先程、「強くて死は負けだと言い放てるエリザベートの裏には同時にどうしてもトート(=死)に惹かれる想いがあるはずで──にもかかわらずつっぱねるような、そういう『揺れ』が見たかった」と書きましたが、トートに惹かれるというのはあくまで死という現象、事実、(エリザベートにとっての)逃げに惹かれる──ということ。
トートという異性(なのかな、ていうかトートはセクスレスだよなあ?)に恋愛感情で揺れる、という意味じゃないです。エリザベートは旦那であるフランツも愛しちゃいないし、トートも「いざって時はわたしを愛してくれる男(?)」ていうキープ的な意味があって、本当に愛しているのは自分自身だけ──なんじゃないでしょうか?(だから『Ich Gehor Nur Mir:私だけに』のナンバーなわけだ))

ラスト、高嶋ルキーニの刃にやぶれ、命を落とすエリザベート。
迎えに来るトート。
そう、エリザベートは、最後まで自分からトートに歩み寄らないのです。
なのにトート、嬉しそう。男って単純? なんて馬鹿なことを考えるわたし。
『Kein Kommen Ohne Gehn(RONDO):愛のテーマ~愛と死の輪舞』のナンバーです。
トートがいかにエリザベートという人間をまるで男女の愛のように愛しているかがわかるナンバー。
えーん、でもその女は君のこと愛しちゃいないよ。
「まだ俺を愛していない」てつっぱねた時と違うのは初めて自分から「受け入れた」ってこと。

それともこれは観客側の感情で、実はトートはやっぱり死という事象であり事実であり現象でしかなくて、その擬人化された姿にまんまと躍らされているのかもしれないですが──。
そうやってもてあそばれるのも観客としては嬉しい限り。

うわー、絶対再演行くぞ。通うかも。山口トートも観ないと・・・そう思わされる、不思議な空間でした。
完璧かって言われれば色々つっこめるんだけど(破綻しとるなあ)世界観にはまりました。CD買って帰っちゃったしね。
(追記2000/8/27 ウィーン版のCDも買ってしまいました! こっちのがいいわ 笑)

■味気ないラスト・・・

ラスト、『Kein Kommen Ohne Gehn(RONDO):愛のテーマ~愛と死の輪舞』が終わりエリザベートとトートが手を取り合う。
で──えええ? 緞帳が・・・緞帳が降りて来た!!!
てことは、お、終わりなの?
友達と顔を見合わせてしまいました。
だいたいお芝居ってクライマックス、ここで幕!みたいのがお客さんとの間で通じ合うもんだと思うのですが
そんな間はありませんでした。
するすると落ちてくる緞帳。あらあら二人が消えて行く・・・
カーテンコール始まったんで「あ、やっぱり終わりだったらしい」とうなずきあう。
ふたりがべたべたの関係で昇天するお話ではないのであっさりしててもいいんですが、
余韻もへったくれもなかったです。
もちょっと何とかならないんでしょうか?
少なくとも、かれこれ3時間、ふたりの行く末見てみた観客相手なんですから!!!


■その他キャストに関する感想

その他キャスト・・・高嶋ルキーニ、よかったです。歌はたまーにゆれるけれどあまり気にならない。狂言回し、本人がそう言っていましたがみごとあっち側とこっち側、時の狭間を行き来している。同じように時代を語らせちゃっていた『黒いチューリップ』のイザーク・ボクステルとは格がちゃうわ。いや、まああっちはコメディなんで単純比較はできないですが・・・。
フランツ・ヨーゼフ役の鈴木さん、いいです。ああいう旦那いそう。歌も感情が入っていていい。冷静に考えればちょっとかわいそうな夫ですよねえ、奥さんひどいわ。(笑)

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