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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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作/アレキサンドル・デュマ
演出/倉田淳

ReviewWriteDate:2000/8/15
LastUpdate:2000/9/7

DukeCast/
山崎康一(コルネリウス・ファン・ド・ベルル)/及川健(ローザ・グリフィス)/鶴田浩一(コルネイユ・ド・ウイット)/青山治(ファン・ド・システンス)
MarquisCast/
曽世海児(コルネリウス・ファン・ド・ベルル)/岩崎大(ローザ・グリフィス)/高根研一(コルネイユ・ド・ウイット)/船戸慎士(ファン・ド・システンス)
オレンジ公ウィリアムWキャスト/
~2000/7/31:池内大輔(8/1より裁判官)/2000/8/1~:笠原浩夫
共通Cast/
藤原啓児(イザーク・ボクステル)/河内喜一郎(グリフィス)
楢原秀佳(ジャン・ド・ウィット)/深山洋貴(クラーケ)/河合貴哉(スペンネン)/佐野孝治(レンテ・他)/小林浩司(門番・他)/舟見和利(司法官・他)/前田倫良(兵士・群衆)/森川洋(書記・兵士)

2000.7.26~8.13 @東京芸術劇場小ホール2

Date:
2000/7/30 14:00 D8(D)
2000/7/30 19:00 I21(M PN)
2000/8/6  14:00 E9(M)
2000/8/6  19:00 C6(D)
2000/8/12 19:00 J15(D Last)

Note:
書評のページでもすでに記しているように、三銃士等で有名な大デュマの作品。
勧善懲悪の大団円、これでもかの水戸公門的ストーリーがいつのまにか快感に???

Story:
17世紀後半、オランダ。新種の黒いチューリップには多額の賞金がかかり、愛好家たちがその栽培に非常なる力を注いでいた。
青年コルネリウス・ファン・ド・ベルルも豊かな財産を費やし、研究に没頭していた。そんなベルルを妬ましげに見ていたのは、同じくチューリップ愛好家の隣人、イザーク・ボクステルである。
フランスとの戦争の暗雲が立ち込める中、フランスと通じているとされていた総理大臣ジャン・ド・ウィットを排斥し、オレンジ公ウィリアムを擁立しようという動きが沸き上がる。民衆の怒りの矛先はジャンとその兄コルネイユ・ド・ウィット(ベルルの名付け親)に向かい…。そして何者かの密告により、ベルルにも逮捕の手が伸びる。
捕らえられた牢獄で看守の娘ローザに出逢い、ふたりは恋に落ちる。愛するローザに彼の想いを全て託し、ベルルは断頭台に引かれてゆくが…。(パンフレットより)





ヒトコトReview:

--------------------------------------------------------------------------------
素直にコメディタッチで正解。前半もたつくものの楽しいチューリップ馬鹿のお話に満足。
--------------------------------------------------------------------------------

お話に関する部分はすでに書評に書き尽くしてしまっていて、今更言うことがみつからない・・・というのが本音。
ここではあくまで舞台そのものについてのみ書きましょう。

そ、それにしてもキャスト・・・
毎度スタジオライフはすごい変則技。
上、キーボード打ちながら気が狂いそうでした。単なるWキャストですらないんだもんなあ。
まあ桜の園よりマシですが。
パンフレットは驚くべき年功序列と五十音順に並んでいて
重要な役如何など関係ないので、打ちながらわけわかんなくなりました。
ちなみに上記キャストはある程度重要度の順にならべています。
ていうか、当たり前ですよね?
高校の演劇部じゃあるまいし・・・
弱肉強食よ!!!


■Dukeチーム

さてDukeチームから。今回楽日があるのでMより一回多い観劇でした。
結論から言うと、わたしはDukeが好き。
なんというか全体バランスが良かった。
やまさき氏は愛らしいチューリップ馬鹿ぶりだし、
一見か弱そうだけどいざとなれば男より強いローザはその強さが垣間見られる及川氏。
(見た目や所作は完璧女の子だったからまたすごい)
ふたりがいいバランスで劇空間にいるのが何とも心地よいのです。

このお話の面白さのひとつはやはり何より強いお姫様、なーんもしないかわいい王子様。
ふたりは末永く仲良く暮らしました──てな大団円なのですから
その意味ではみごとイメージ通り、ストーリーを背負っていました。

脇で言うと成長著しい鶴田さん。台詞が意味をなして聞こえました。台詞言ってるんじゃなくて言葉に近かった。
ちなみにやまさき&及川&鶴田はえんぺの1行レビューの評価もすごく良かった。
あそこは手厳しいからなー。(わたしもその一人だけど)
一般のお客さんもどうやらいつになく多かったようですし、彼らにとっていい舞台になったのではないでしょうか?

ところでDuke楽日、みなが心配していた事件がおこりました。
主人公コルネリウスが大事な大事な黒いチューリップの側芽を従者クラーケにふっとばされるシーン。
3つの側芽の内、1つがどこへやら飛んで行ってしまったのです。
観客はさすがリピーターが多く、みな瞬間息を飲んでいました。
クラーケが立ち去っておたおた側芽を探すコルネリウス。
みごとセットの裏に飛んでいった側芽発見。
(追記2000/9/7:やまさきさんに直接真偽を伺った方によるとどうやら予備の側芽を使ったのだそうです。気づかなかった~)
発見までに時間がかかってしまいましたが逆に会場には拍手。
平然とコルネリウスしていたやまさきさんへの拍手でした。ああおもしろかった。


■Marquisチーム

曽世ベルル、かわいすぎ。
泣き顔、困り顔、歓喜、なにもかもがこれでもかーのオーバーアクションなわけですが
それが超かわいいわけだ!
一見の価値あり、こういう彼がいると楽しいだろうなあと思った。(笑)

対する岩崎ローザ、うーむやっぱり役が重かったでしょうか?
見た目たいそうお美しいし、たしかにデカすぎますが(180CM?)ヒロイン慣れしたかなーと思ったけど。
噛む場面も多かったですし、すると頭の中の台詞のテロップが一度消えちゃうんでしょうか、素がかい間見えてしまうんです。
ローザとして存在していなくて岩崎大がいるというか。
あとわたしの中のローザはやっぱり一見大人しくても実はたくましい、ていうのなので
どうしてもそれにマッチングしなかった。
ちょっと何考えてるんだかわかんないというか。
確かに及川さんは大変小柄な方で(笑)、岩崎さんは大変大柄な方で、
だから同じことを要求するのも何なのですが
例えば袖から走りこんでくるときにドタバタ音たててしまったら、やっぱり興ざめですから。
そういうところまで役に入り込んでほしいですね。
別に女形ってわけじゃないから女の所作が大切なわけではないですが、
心構えの部分でもっとどっぷり役に入ってくれないとやっぱり男優が演じる女優なんだから、観客を上手に手玉にできないでしょ?
──というのは主観ですが。

その他高根さんは・・・うーむ、相変わらず怪我してる役なのにあっさり動くわ。
ドラキュラの時も思いましたが。
痛くないんでしょうか、気力? いや絶対違うよーとつっこみが入ります、毎度。


■Wオレンジ公

スタジオライフ、トップたる(笑)笠原さんが『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』出演のため、
7月中は昨年末に入団したばかりのフレッシュ、池内さんがオレンジ公を勤めました。
まさかの笠原さんとのW。
でも心配ご無用な若さと自信。すがすがしいっすね。
彼はきっと人気が出るでしょう。
立ち姿が目をひくというのは、すばらしい。
台詞もすごく通るし、今後、期待。
8月からは笠原さん登場──やられました。
別に笠原ファンじゃないですが、原作からしてわけわかんない変人(笑)オレンジ公を
なんとも妖しくカッコよく演じてくれました。
「太陽王ルイ!!」のくだり、毎回背筋に何か走りましたわ。
ちなみにDuke楽日の笠原さんの投げた花(何故かガーベラ)、歌舞伎ファンのわたしの友人の手元に。
「こーゆーのって欲がない人のとこに届いちゃうんだよね」
ていう彼女もうれしげ。なんつったってプラチナフラワー(?)ですから。
ちなみにそのガーベラ、オレンジでした…


■共通キャスト

やっぱりいいねえ、楢原さん。
言葉と台詞の距離がない。自分のものとして伝えられる。
この人がいる限りライフは観ようと決意。
牢獄の看守役でがらりと様子がかわるのがすごい。役者さんです。

そして…今回大変わたし的に辛かった藤原イザーク。
何がつらいってあの妙に寒くなるシャレの連発でしょう。
わたしはもともとシャレとか言われてもおもしろいと思いもしないし、
やっぱり遠く引いてしまうんですが
今回はわたし以外の観客も冷え冷えでした。
うまくいっている回もあったけど。
ああゆうモノローグのさせ方ってどうなんだろう?

河内氏の看守はあまりコメントしたくない…
ローザのことを平気で息子っていうその感覚がもう役者じゃないんじゃないか? と疑ってしまう。
桜の園の悪夢がありますので、そうとう頑張ってもらわないと難しいです。


■どうしても言いたい、あのデュマ…

ライフはどうもプロローグとエピローグが好きなようです。
が、ががが!!!
今回のあれな何なんでしょうか?
何の意味があるんでしょう?
観劇をしてない方のために説明いたしますと、このお芝居、最初と最後に作者であるデュマ(河内)とその編集者が出てくるのです。
(ちなみにその編集者は必ずその回に出ていない方の主役、やまさきOR曽世なのでちょっとおいしい)
プロローグはデュマが背を向けた状態で編集者が『黒いチューリップ』の原稿を読み始める…お芝居のはじまり、といった感じ。
エピローグはすべての物語が終結し再び編集者と椅子に座ったままのデュマ。
そしてデュマが振り返る──ああああああ! 謎のデュマメインのおっさんが現れるわけです。
失礼、実はある回で前から二列目にいたにもかかわらず笑いの火がついてひーひー笑いってさらにまわり巻き込んだのは、実は私なんです。
(でも一列目のおねーさんがいきなり吹き出して笑ったからだよー)
ありゃ、おかしーって。

あと最後の台詞。
「はたしてわたしの作品は後世まで残るんだろうか?」
あれがどうにも気になりました。
後世まで残ることを考えてモノ書いてた人なのかな?
わたしはデュマは読んだことないので何とも言えないんですが
なんとなくモノ書きっていうのはそういうことを言うもんだ的な感じがするのです。
言いかえれば脚本家がそう思っているのかなーと深読みしてしまうような。
多少色々なものを読む立場として、なんというか、ひっかかりました──


■何はともあれ大団円

まあ細かいことは言いましたが、今回は続々と主要な役者が辞めて行くという過渡期に
対外的にもいい評価を得ることができた、ライフ的にもいい芝居になったんじゃないでしょうか?
そういう意味でも大団円。
ドラキュラで感じた途方もない構成力のなさ! が多少はよくなった気がします。
(失礼な物言いですが、役者とは別のところで脚本に問題が多すぎたと思うドラキュラ)
前半は「え? まさかやっぱり耽美のつもりで演出しとるの???」と焦りましたが
結局なんとかコメディタッチで話しが進んでホットしましたわ。

念のため言っておくと、ここでいうコメディタッチというのはですね
お話事体がばかばかしいっていう意味ではないです。
コメディとコメディタッチは違いますから。
ちょっと切ないお話もからりとした明るさの中にぴりっときかせる場合も有りだと思いますし
ド・シリアスにコトを進めるもあり。
物語の本質と描き方は必ずしも一致はしませんので。
そんなわけで黒いチューリップ、思いのほかここちよく優しくいい感じでした。

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