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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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作・演出/野田秀樹

ReviewWriteDate:2002/2/13
LastUpdate:2002/2/13

Cast:
大竹しのぶ
2002/2/2~20 @スパイラルホール

Date:
2002/2/8 19:00

Note:
野田版、智恵子抄



ヒトコトReview:

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必見でした 野田版・智恵子抄
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最近シアターガイドも買っていないので、実は存在すら知らなかった(笑)大竹しのぶひとり芝居。
運良く友達より権利を譲ってもらい、行ってきましたスパイラルホール!
実は評判を聞くまでどういう演目なのかも知らなかったんですが。
演目は、野田版・智恵子抄、となります。


■あだたらやまに・・・

個人的な思い出で申し訳ないのですが
小中学校で林間学校、スキー学校に行ったのが福島県は安達太良山。
単に市の施設があったからなんだけど、どーもそのイメージが強い。
山上ったり、スキーしたり。
そのイメージと、智恵子抄というのが何故か結びついて記憶となっているわけ。
智恵子抄、と聞いて高村光太郎、じゃなくて、智恵子抄と聞いてスキー、なんだな。(笑)


■芸術家の妻とは

怖いね~。まじで。
純愛詩集? をひっくり返してこういう解釈を作ってしまう野田秀樹って怖い。
わたしはさして文学少女でもないので智恵子抄自体、教科書とかの知識なので
知恵子が『芸術家』であることは、知らなかった、もしくは、忘れていた。
今回の野田芝居はかなりストレートで史実に基づいているのだろうから、
智恵子は色盲だったのかしら?

何はともあれ、芸術家の妻、芸術家の夫ていうのは、難しい。
才能は才能を妬むし、その限界をまざまざと見せつける。
私的には、たとえばアーティストとかの妻って、その人が大成することだけを願ってただそれだけで応援できるタイプの女じゃなきゃダメだと思うんですよね。
自分自身も何かすごく誇りをもってやってたりすると、旦那が『本物』であったときに自分がそのレベルに追いつけていられなければ、容易にプライドを傷つけられるし、
なんも感じないぐらいの方が幸せ・・・。
多少愚鈍なまでに尽くすタイプの方がよいかと。
まあ、旦那が結局同じような才能のある人と逃げちゃうことも多々あるわけですが(笑)
それまではこういうタイプのが妻に向いていると思うのさ。

でも自分も同じ『芸術家』であると思っていたら──。


■『智恵子』を形作るもの

智恵子は幸太郎の詩とう言葉に、縛られてゆきます。
光太郎の詠う『智恵子』という女に、自分が相応しくあろう、同じ女であろう、と必死で頑張るようになる。

最初は「いやなんです、あなたが行ってしまうのは」という熱烈な詩で愛を訴えられ光太郎ひとすじで生きてきても
自分がいつの間にか、光太郎によって体内化され、自分の自分としての価値をもぐように奪われてゆくと、それはひどく辛い。
自分が自分である、ということよりも他人の評価で自分が作られてゆくのだから。
芸術家を自称する、自分の中の才能をどこかで結局信じている人間にとって
これはもう、キツイでしょ?
自分がない。自分を他人が作る。それが自分になる。
(そうか、これは『呪』ね・・・笑)

言葉、詩で形作られてゆく『智恵子』という人格。
智恵子は『智恵子』であろうとして、自分の心を、身体を『智恵子』にしてゆく。
ぎりぎり、痛いようなそれなのに、言葉であって、紙、なんですね。

今回の野田氏のお気に入りモチーフはパンドラ~と同じく恐らく『紙』だったと思われます。
セットも紙で出来ていて、ラストシーンに狂った智恵子が散らすのも色とりどりの和紙。
詩が書きつけられる、紙。それは何故か本当の紙ではなく、鋼。
ごつくて、端っこに手をかけたら血でも出そうな、『紙』。
だんだんと、光太郎の詩で言葉でがんじがらめになってゆく智恵子は秀逸。やっぱ大竹しのぶってすごいわ。
女学校前の少女から狂気の女まで、姿形を変えるわけでもなく演じちゃうし。


■光太郎から智恵子への言葉たち

はっきり言って、「をんなが、付属品をだんだん棄てると、どうしてこんなに きれいになるのか」て言われたら、「わたしは好きで棄ててるんじゃない!」とどやしたくなる気持ちは相当わかる。
「あなたは私の為めに生れたのだ」て言われたら最初は嬉しいだろうが、わたしは怒るね。(笑 いかん、これじゃ智恵子とは関係ないな、わたしの怒りだ)

純愛詩集だったはずの智恵子抄が、まんまと逆転してしまう。
野田演出と大竹しのぶはの演技は、智恵子抄に対して斜めな感情すらなかったわたしに、
見ているうちに「光太郎、なんつー、男だ!」という怒りを覚えさせるほど、すばらしいんですねえ。
「わたしは口をむすんで粘土をいじる。ー智恵子はトンカラ機を織る」て読まれたら、「ちくしょう、お前も働けえ!!!」て、思うもの、わたしは。(笑)


■『芸術家』智恵子の苦悩

光太郎の薦めで自分の絵を展覧会に出品する智恵子。
通るはずないわ、と言いながらも特選から結果を探す智恵子の姿。でも入選すらしていない。
ああもう、こういう気持ちはすごくよくわかる。
わたしも似てるよな~。
光太郎には笑顔を作って傷ついた自分のプライドなど見せたりしない。
光太郎は智恵子がちゃんと自分のスピードに着いてゆけると思っている。
智恵子はそれがさらにプレッシャーになる──。
どんどん、どんどん、逃げ場がなくなってきて、実家も破産して「わたしがなんとかする。わたしがなんとかする」とつぶやく智恵子に狂気が見え隠れしてくる。

『芸術家』であるつもりが芸術家たりえない自分と、光太郎、光太郎の言葉、詩、プライド、全部がぐしゃぐしゃに混ざった結果、物語の最初から傍観者として語っていたはずの『智恵子の女中』が『智恵子』と同化してきて、いつの間にかその本質となってゆく。
そして、死。その死すらも光太郎によって『詠われる』智恵子。
うまいな~。何故か智恵子の狂気がわかるもの。
野田氏自身なんで狂ったのかなんてわかんないしと言っているけれども、観客にそうなのかも、て思わせるパワーはすごい。


■天才なふたり

しかしまあ、本当にすごいって思ったのは、お互い天才でありながら相手を潰すことなく、こんなお芝居作っちゃえる野田秀樹と大竹しのぶではないでしょうか?

久々に「来てよかったわ~」と満足できるお芝居でした。(笑)

拍手

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脚本・演出/宮藤官九郎

ReviewWriteDate:2002/1/20
LastUpdate:2002/1/20

Cast:
阿部サダヲ(仲吉ショウジ)/田村たがめ(仲吉セツコ)/佐藤隆太(リョウタ)/白井貴子(白井貴子B)/右近健一<劇団☆新感線>(ケン)/猫背椿(バー子)/皆川猿時(ラブミー天童)/荒川良々(ダミオ)/宮藤官九郎(宮藤)/峯村リエ<ナイロン100℃>(白井貴子A)
富澤タク(ギター)/七瀬ミチル(キーボード)/小西昭次郎(ドラム)/松沢登(ベース)

2001/10/19~25 @シアターアプル

Date:
2001/10/20 マチネ

Note:
ウーマンリブ第6弾
Story:
脚本家・宮藤官九郎は作品のネタにつまっている。彼は自分の芝居に白井貴子に出演してもらおうとするが・・・。仲吉ショウジは田舎で妻セツコと喫茶店をひらいている白井貴子のファン。そんな時、白井貴子の東京でのライブチケットが4枚手に入り・・・。



ヒトコトReview:

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宮藤官九郎とファンの集い

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すっかり忘れかけているんですけど、内容。
観たのはかれこれ3ヶ月ほど前。
にもかかわらず、記憶鮮明なのは──キラァっクゥイィ~ン・ろっくろっくろっくぅ!!! という歌。
いやだー、なんで頭の中をこの歌が回るんだああああ。
何ヶ月たっても追いかけてくるフレーズ。いかん、相手の思うつぼだ。


■クドカン ファンの集い

楽日じゃないのに会場はおざぶの嵐。立ち見の嵐。
コマ劇前の細川たかしに並ぶおばさまたちの行列にも圧倒されたがこちらも同じ熱気。
マイナーであることとメジャーであることの、変な境界線が見え隠れする不思議な空間。
もうメジャーと言っていいようなファンの付き方なんだけど、
みんなこれをマイナーだと思っていそうだ。変なの。


■ストーリーは

あってないようなもの?
実は前半の1時間半、まるっきり世界に入れなかった。
周囲は大笑いをしているものの、その笑いの世界に入ってゆけない。
このまま最後までこうだったらどうしよーと思っていたが後半はなんとかテンポが合ってきたようで、多少世界にも入れるし、笑えるかな? というところまでは行った。
なんで笑えなかったのかっていうと、多分セルフパロディっぽかったから?
内輪ネタしてもまあ、年に1度?のお遊びなんだろうしいいんだろうけど
内輪ネタのセルフパロディばっかって見ていて辛い。
ひょっとして脚本書く時間なかったのかクドカンー!? といらぬ心配をしてしまうわたし。


■耳をはなれぬ、キラークイーン・ソングたち

お話はそんなわけで意味不明で意味もないのだろうけれども(というか、昔のことすぎてもう忘れた)歌は、耳から離れない。
ていうか、未だにたまに歌ってしまう。
みんな歌うまいよね~。


■白井貴子とは

今回の目玉はやはり白井貴子。
しかし実はわたし、白井貴子のことがよくわからんのです。
はじまる前にいわしさんに「白井貴子ってナニモノ?」と聞かれた時に
「うーん、恐らくカテゴリは『女性ロックボーカリスト』だと思う」
というわかったようなわからぬような返事をしていたわたし。
わたしの中では、大貫妙子ともまざっているし、太田なんとかって人もいたよね?
ジャンルが同じかどうかではなく、同じ頃に流行ってて似たような名前。
でもきっと全然違うんだと思う・・・。

さて、白井貴子登場。
背後の座席のおねーさんが「うそ、感激・・・!」みたいなことを囁いている。
うーん、カリスマアーティストなのか?
芝居はクドカンやその他キャストの白井貴子へのリスペクトを中心に進んでゆくし、ところどころに白井貴子の往年のヒット曲?『チャンス』がキーとなる。
しかし、聴いたことないんだよなあ・・・この曲。

全編を通して歌が盛りだくさんの芝居だったのですが
どれがオリジナルでどれがカバーなのか、実はほとんどわかんなかったのです。
あ、バービーボーイズだ、ていうのが1つあったかな? ぐらいで。
多分5個ぐらい年齢が上だとジャストフィットなんだと思われます。
だから今大学生の子とかが観ても、なにがなにやら・・・て感じでは。
歌と場面とのリンクが、いっさいされないんだもん、頭で。

ところで、今クールから始まったクドカン脚本・演出のドラマ『木更津キャッツアイ』に『キラークイーン』に出ていた佐藤くんが出ていますね。
『キラークイーン』がきっかけ? それともこっちが伏線??

拍手

原作/三原順
脚本・演出/倉田淳

ReviewWriteDate:2001/10/10
LastUpdate:2001/11/11

Cast:
岩崎大(D.D.:ダドリー・デビット・トレヴァー)/笠原浩夫(ウィリアム・ジョンソン)/山本芳樹(ウィリアム・ジョンソン・ジュニア)
深山洋貴(ケビン・ジョンソン)/及川健(トマス・リブナー)/青木隆敏(ジェニファー・パケット)
山崎康一(アイダ/サラ)/曽世海児(マギー/アン)/石飛幸治(ドナ/マリア)/野口光雄(エレ/トマソン)/高根研一(ロジャー・アダムス)/鶴田浩一(スティン)/姜暢雄(ジニー・トレヴァー)
舟見和利(ロージー/レナード/看護婦)/小野健太郎(ブライアン/ヘンリー・ノース/マイクル)/奥田勉(ハーブ/ティム)
青山治(チャーリー)/前田倫良(ボビー/リチャード/他)/森川洋(工場員/捜査隊員)
倉本徹(フォルナー/ルディ/エド)/藤原啓児(ジェニファーの祖母/アーニィ/ジェフ/署長)/河内喜一朗(ピーター・トレヴァー)
2001/10/3~14 @シアターサンモール

Date:
2001/10/6 14:00 G16

Note:
三原順原作漫画の舞台化。
Story:
アメリカの小さな町。あふれる行動力をもちながら、自分の心の居場所を探しつづける少年D.D.。
転入先の学校で再開した従兄ウィリアムの息子ヶ便とは相変わらず相性が悪い。
しかし、同じく転入したトマスとの間に奇妙な友情が芽生え、戸惑いと心地よさを感じてゆく。
家族や友達達の中で、自分の出生の秘密を頑なに抱えつづけるD.D.──
だが、少年達の瞬間は、優しさと残酷さを交えながらいやおうなく刻まれてゆく。(公演チラシより)




ヒトコトReview:

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D.D.とジュニアのW主役なお話?
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放っておくとブギトゥ~ぐらい時が過ぎて内容を忘れてしまいそうなので
ちゃっちゃとポイントだけは書いておきます。
やる気ないなあ。

難しいのはこれというポイント・テーマで語れる程の感想がなかったということ。
シーン単位、台詞単位では感じるところもありましたが
1つのお芝居として体系的に何か感じることができるかと言われると──なんか『ブツ切り』な印象があってこちらも体系的な感想が出ようがないというか。
つまんないわけじゃないのに。


■誰が主役だ状態再び

何から再びかと言えば──そりゃ『ドラキュラ』でしょ。
ルーシーが死ぬところだけで延々1時間半もやられて2幕で急にミナだジョナサンへのだ愛なんだとか言われてもさっぱり伝わりませんわ! と怒っていたあの時と同じ。

今回は原作未読のわたし、とりあえずD.D.=岩崎くんが主役らしいことだけは頭に入れて臨んだのですが
一幕の間、約1時間半
「いったいD.D.のどこが主役なんだ!?」
というほどに岩崎君が出てこない。
解説みたいにちょこちょこ出てくるけど、『D.D.』という役でそこに存在しちゃあ、いない。
ほっとんど、山本さん演じるジュニアと笠原さん演じるウィリアムの葛藤話。
大変丁寧に、じっくり描いているわけです。
でさ、やっぱ観客が感情移入するのはジュニアでしょ? 少なくとも一幕観ただけでD.D.に思い入れは生まれっこないですよね。
でも二幕はめいいっぱいD.D.モードで
「自分も努力したんだ。だけど自分の心が自分の思う通りにならない」
みたいなこと(台詞はいい加減です。覚えてないので)言われても
「あんたいつ努力してたんや!!!」
て感じ。

そう、ドラキュラと同じ「その感情、その人々をいつ描いてたっていうの?」状態なのです。
全ての人が原作読んで予習をしてきているわけじゃ、ないのです。
『当然D.D.はこういうキャラでこうやって悩んでいるから』という事前承認は、ないんです。
だから御願いします、倉田さん。(お、名指し 笑)
毎回くどいようですが、ちゃんと経過と感情を描いてやってくださいよ。
一幕→ジュニア、二幕→D.D.ってぶったぎるんじゃなくって、ジュニアの苦悩の合間合間にちゃんとD.D.を生かしてあげてくださいな。
まさかおばーさんとの語らいとかちょっとした仕草程度で
「こんなに努力してきたのに」
が表現できていると思ってはいまいよね? 演出家さん。
原作ならちゃんと描かれていると思うので、これは脚本にする時の問題だと思うんです。
役者に力がないわけじゃなくって、岩崎君がどんな熱演されても伝わらないでしょ。そりゃ。


■カエルな気分

は──すっごくよくわかります。

これは舟見くん演じるロージーが言う台詞。D.D.がうなずく台詞。きっと観客も沢山うなずいていた。(笑)
以前、元作家(と言っていいのでしょうか、商業的に売れなかったので現在商業的には書いていないというお人でした)がサイト上に書いていたのと同じ台詞。
自分はずっとカエルだったのに大学に入って自由になれた。でも社会に出たらやっぱカエルだった──。
この文ってもしかして出典はこの『SONS』の方だったのかもしれませんね。
ま、童話をモチーフとした表現なので、必ずしもそうとは限らないですが。

そうだよそうそう、わたしもカエルだよう。
ロージーの心理描写なんてここぐらいしかないのに思い切り感情移入するのは、個人的な理由。


■各キャストについて

山本芳樹さん、今回は頭デカク見えなくてほっとしました。
こういう根暗そうな役の方が似合っていると思う・・・センシティブな役というか。
二幕の回想シーン、必ず同じ体勢、同じ口調で現れるのはさすが!

岩崎くん、やっぱ男の子役のがよいよね、無理して女優より。
今回気になるところもあまりなかったし(D.D.の描き方には不満ありだが彼のせいじゃない)。

笠原王子──なんつーか、いつも通り。
でもオヤジな役よりも若目の役の方がみたいなあ。
個人的に。
でももしかしたらウィリアムと笠原さんって実年齢近い?(爆)

深山さん、何となくちょっと『Happy Families』かぶっているような役?
やっぱこの人もいつも通り。

舟見くん──可愛すぎ!!!
あのさあ、絶対そのまま道歩いてても男には見えないって。
観客をはらはらさせる演技だった舟見君がここまで来るなんてねえ。
弟の学芸会を見るようだとか思っていたはずが。
最近ライフを観る目的の一つが「ふなぞうの成長を見守る」になっているような気がするんだよね、わたし。

及川さん、あれってどういう役なんだろう?
きっと原作では意味がある役なんだろうなあ。さっぱりわからんけど。
彼にしては軽い扱われ方?
今上のStory欄をチラシ見ながら打っていたんですが『トマスとの間に奇妙な友情が芽生え』ているの?
普通の友情は感じたが奇妙かって言われても・・・。
原作をアレンジしてもいいんだけど、あらすじのコメントは直して欲しいですよねえ。混乱するから。
それにウィリアムってD.D.の従兄なの? 

姜くん、ヒトコトも台詞がないのは何故なんでしょう。

小野君、カッコイイんだけど、何故ブライアンとして死んだ後すぐジェニファーの兄役?
そしてラストは強盗役?(あげく強盗はD.D.の知人なの? 伏線ないんだし、こういう時は適当に設定変えようよ)
顔もいっさい隠さず何度も同じ顔で出られると、こっちも戸惑う。
生き返ったの? て。
JUNONのフォトジェニックだし顔は隠せないのか?
なんというか、配役考えてほしいですよねえ、小野くんのせいじゃないけど。

同じく配役考えろよの女優陣のひとり、やまさきさん。
これもやまさきさんのせいじゃないけど、ウィリアムの愛人・妻を2役やるのは厳しいでしょ。
わりとインパクトのある顔だし(笑)てっきり髪切って現れたのかと・・・。
ちなみにサラの感じは好き!

そして曽世さん。
わたし、実は女優な曽世さんのが好きなのかも~。
やっぱ『桜の園』のワーリャのせいかなあ。
せつない女心! 曽世さん似合う~。身体ゴツイなんて関係ないっす。
でもやっぱり何故かマギー役の後エリザベスとして再登場。何故?
わたしまたもや
「え? まさかマギーはウィリアム(兄)とスティン(弟)の二股という衝撃的展開!?」
とドキドキしてしまったではないかああああ!!!(わたしだけか?)

青木くん。やっぱ変な子やね。でも気になる。変な子だ。

それにしても気になるのがジュニ4の扱いかなあ。(笑)
がんばっているんだけど、どーもフレッシュのが先に・・・。

拍手

原作/マーガレット・ミッチェル脚本/菊田一夫
演出/山田和也
音楽/佐橋俊彦
作詞/秋元康
ReviewWriteDate:2001/7/31
LastUpdate:2001/7/31

Cast:
大地真央(スカーレット)/山口祐一郎(レット・バトラー)/杜けあき(メラニー)/今井清隆(アシュレ・ウィルクス)

寿ひずる(ベル・ワトリング)/花山佳子(マミー)/木村有里(ピティパット)/沢木順(ミード博士)
藤堂新二(フランク・ケネディ)/安崎求(チャールズ・ハミルトン)/林アキラ(ジェラルド・オハラ)/冨田恵子(エルシング夫人)/植田チコ(プリシー)

石波義人(成金/船長他)/青山達三(募金係/農園主他)/前沢ゼン一(召使ポーク/楽士他)/小林仁(南部の青年/紳士他)/斎藤譲(南部の青年/北軍士官他)/岡智(南部の青年/北軍士官他)/佐々木しんじゅ(南軍士官/略奪者他)/中尾和彦(南部の青年/楽士他)/井上仁司(ウィリー/南軍士官他)/中本雅俊(農園主/略奪者他)/土屋貴俊(南軍士官/招待客他)/平野瓦(北軍衛兵/略奪者他)/沼沢勉(南軍脱走兵/農園主他)/附田政信(南軍士官/略奪者他)/篠原功(南部の青年/楽士他)/渡辺隆(使用人/楽士他)/板垣辰治(使用人/楽士他)
梅原妙美(ミード夫人他)/松本好永(ワイティング夫人他)/小笠原みち子(エレン他)/松谷彼哉(スエレン他)/板倉リサ(娼婦/花売り他)/森本麻祐子(娼婦/招待客他)/村瀬美紀(インディア/船客他)/白木原忍(キャリーン/娼婦他)/千葉桃子(情婦/野菜売り他)/中川菜緒子(娼婦/果物売り他)/池谷京子(令嬢/老婆他)/斎藤文華(娼婦/パン売り他)/永山志津香(娼婦/招待客他)/辻奈緒子(メイド/淑女他)/吉田ひかる(淑女/船客他)/樋口綾(淑女/船客他)/林久美子(淑女/船客他)
佐野日名子(農園主の娘/ボニーの声)/高橋愛子(農園主の娘/ボニーの声)
2001/7/6~8/27 @帝国劇場

Date:
2001/7/28 12:00 N42

Note:
名作『風と共に去りぬ』の国産オリジナルミュージカル。




ヒトコトReview:

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和製ミュージカルの限界なのか、駄作なのか・・・笑
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チケットを手配したのは、今年正月。
住友VISAの貸切公演で、お値段は若干安め。お楽しみ抽選会と舞台挨拶有り。
忘れかけていたころチケットが届く──いつの間にか三井住友VISA貸切公演になっている。。。


■なぜにミュージカルにするかな? の奇妙な舞台

前フリで『ローマの休日』は和製オリジナルミュージカルでは出色の出来で
韓国にも輸入されたぐらいだ云々、その『ローマの休日』スタッフが再度結集! みたいなのを散々聞いていたわけです。
わたしは『ローマの休日』は見てないのでその辺りは鵜呑みにするしかないですよね。
とはいえ、観劇前に「今回のはヒドイらしい」との好香報を受け、それなりに覚悟して行ったんですが・・・

うーん、何なんでしょう、あれは。
わたしは『風と共に去りぬ』は映画でもちゃんと見たことないので決め台詞とイメージしかなくって
ストーリーなんて知らないんですがしかし。
そんなわたしですら「すげー、はしょって場面だけくっつけてるぞ」とわかる始末。
内容があるのやらないのやら、なんか延々時系列で進んでゆくんで変な感じ。
あとでパンフを読んだところ「スカーレットとレットバトラーのメロドラマ」という観点から描かれているらしい。
メロドラマするには、ちょっとツメ甘いっていうか、欲張りすぎ?

わたしがこれまでに見たことがあるミュージカルって『レ・ミゼラブル』と『エリザベート』だけで
共に東宝の帝劇公演。全編歌で綴るタイプのミュージカル。
参考値にするには偏っている気がするんですが、ほんっと、音が違うね。
なんつーか、演歌とか歌謡ロックっぽいというか、ソロの歌手が歌い続けているというか、グルーヴがないっつーか。
音がすごくうすっぺらなのね。
メロディラインの問題というよりも、アレンジの問題に近いかな。
かろうじて冒頭の『赤き大地よ』はいい感じで音があるけれど、それ以外の曲はなんだかスカスカ。
歌い手の力量でなんとかできちゃう場もありましたが、なんとも寒い。
まあ、地の芝居からいきなり歌いだすタイプのミュージカルって初めてだったので、その違和感かもしれないですが。
あれでも日本でもっとも優秀なメンバーが作ったナンバーなんだろうか?
秋本康である意味はどこにあるんだ?
話題づくりにしてもたいして話題になっていなかったような気もするし・・・。
とってつけたような歌が、どうも違和感。ミュージカルだったっけ? ていう程度の印象だし。
これって素直にストレートプレイでやってた方がいいんじゃないすか?
それか、海外でいいのが出来てロングランとかされたらそいつを輸入してくるの。
とりあえず和製の限界なのか、スタッフの力量の問題なのか、解釈に誤解があるのか・・・何か変なお芝居でした。
舞台装置もなんか寒いし(いや、これは狙いなのかもしれないが)、装置の動き自体も寒いし、なにより観客の拍手が寒かったし。

しかしまあ、こういう舞台は笑いも多い。
芝居側が用意した笑いじゃなくて「ひえ~~~、これは~~」というタイプの笑いが多かったです。
感動している人もいるかもしれないので、まさか声を出して笑うわけにもゆかず、かなり苦しい思いを致しました。(笑)


■大笑いポイント 山口バトラー

ていうか、わたしを笑い死にさせるつもりか、あんた!!!
演技がまたえらいことになっているらしいと小耳にはさみながら行きましたが、とんでもなかったです。
いや~、『レ・ミゼ』にしろ『エリザ』にしろ地の台詞がほとんどない歌で綴るミュージカルだからよかったものの、今回のようにお芝居が全面に出てしまう舞台では、演技ヘタすぎ!!!
それでもまあ、耐えて耐えられないこともありませんでした──途中までは。

子供を死なせてしまって酔っぱらう(でも酔えないの)場面。
あれってスカーレットと心が離れてしまう深い意味をもつシーンなのに、あれはいったい・・・
うひゃあああ、と叫びそうでした。
もう、恥ずかしい。恥ずかしすぎる。あれは演技か? ああしろと言われたのか? それともみな怖くて言えなかったのか? 演出家はどこ行った!!

その前にあった酔っぱらいシーンでもかーなーり厳しかったんですが、それ以上のひどさ!
ああ山口さん、あなたには歌しかない! 歌だけで十分! 普通の演技力なんて求めないわ!

そのとんでもないシーンからソロの歌に入ってゆくわけですが
こちらはまたすばらしい美声。歌声。天は二物を与えなかったのね・・・涙
この舞台で一番の拍手喝采を受けたそのソロ(『掌』)は、寒すぎるこの公演で唯一のミュージカルっぽいシーンだったような・・・。


■大笑いポイント 馬車

一幕、有名なシーンでしょう、スカーレットが馬車でアトランタから逃げるシーン。
火薬でばんばんやりながら走れ馬車!
て、馬がいな~い。(笑)
馬がついていない馬車は緩慢な動きで舞台を前後左右する。
ていうか馬車が水平移動するのが、とにかく笑える。
山口バトラーが「馬も休ませてやらないと」と言うのを聞きながら「馬、いないじゃん」と思ったのはわたしだけではないはず。


■拍手と観客

登場するだけで拍手がおこる、大地真央。
この舞台は大地真央のためだけにある──はずなのだが、喝采は大地真央よりも演技ぺたっぴな山口バトラーに集中。
拍手の感じからしてわたしの席のまわりは山口ファンばかり?
大地真央がソロで歌っても拍手はぱらぱら・・・だったら拍手しない方が切なくならんよ程度。

わたしの勝手な想像ですが──きっと大地真央はこの公演に出たことを後悔しているに違いない。(笑)
カーテンコール時も、山口さんの時は帝劇が割れんばかりの拍手だったにも関わらず、
大地真央の時はそれほどでもなかったような。(主演にしては、ですが)
舞台挨拶の時もなんだか不機嫌そうに見えたんだよな~わたしの偏見?
こんなヒドイ舞台に出させて、あげくみんな山口ファンですって?? みたいな感じの・・・(笑)
(わたしは大地真央が嫌いなわけではないです。どっちかっていうと好きです)

お客さんにとって拍手というのは、すごくわかりやすい意志表示なんだなあ、としみじみ思いましたね。
たくさん拍手したい! て思える曲も少なかったし役者もシーンも少なかったような。
VISAの公演だったのでカーテンコール終了後、すぐ舞台挨拶だったのでわかりにくいのですが
『レ・ミゼ』も『エリザ』も幕がおりてもお客さんの拍手が止まらなくて何度もカーテンコールのアンコールしてたのに、今回はいともあっさり1回で終了? みたいな空気。


■各キャストについて

大地真央。初見です。
歌はうまいわけじゃないのね。ヘタではないけど、うまくはない。
あの演技もどうなんだろう。
年齢を考えると少し怖いような。
でもパッと華がある。やっぱこの華こそがスターなんだろうなあ。
『女は降伏しない』はカッコいいです。でもよく考えればあれ以外の歌のシーンって、踊りってほとんどなかったような。

杜けあき、かわいい! 歌うまい!
ほんと、この人は芝居もしっかりしてるし、歌も相当うまい。
パンフには「宝塚で一時代を築き」とありましたが、確かにそうでしょう。
メラニーかわいい!(今、変換したら『米良ニー』となった。ちょっと怖い)

今井さん、無骨な感じがよかったです。歌もやっぱうまいわ~

林アキラさん。冒頭から美声をありがとう。素敵です。
司教さまも素敵ですが今回も・・・。
パンフを見たところ、NHKの歌のお兄さんだったのね。
ちょうどわたしが小学校頃なので、もしかしたら見ていたのかも・・・

拍手

作/坪田塁
脚色/増本庄一郎(Mass Jack SHOW)・藤森俊介(Mass Jack SHOW)
演出:増本庄一郎
ReviewWriteDate:2001/7/23
LastUpdate:2001/7/23

Cast:
福本伸一<ラッパ屋>(安食純)/増本庄一郎<吉本興業>(遊佐盛夫)/丸山優子<劇団スーパー・エキセントリック・シアター>(高井瞳)/冨永みーな(風祭涼子)/野村邦丸<文化放送>(城島守)/小田静枝(入福美幸)/児玉信夫(金野渡)/花井みを(脇田影子)/笠原弘子(井出円)/菊池健一<吉本興業>(只野優)/臼井守(前田五郎)/下條アトム(平野一生)
2001/7/19~2001/7/22 @シアターサンモール

Date:
2001/7/21 14:00

Note:
冨永みーな、プロデュース第2弾



ヒトコトReview:

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脳を使わず楽しみましょう
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最近、舞台多いですね、の児玉信夫さん客演作品ということで行ってまいりました。
個人的な事情なのですが早起きして表参道行って髪切ってそのまま新宿御苑に移動したもので、
とにかく眠い。死ぬほど眠い。倒れこむほど眠い。
近所のウェンディーズで昼を食べながらも倒れそうだったし、やばいと思ってドトールに移動してブレンドを飲むもののいっこうに目が覚める気配はなし。
これはぴーんち! と思っていましたが、始まっちゃえばちっとも眠くなかったんです。
それはきっと・・・


■いきなり日光江戸村攻撃!!

慶長××年──そして舞台ははじまった。
だだーん!! 日光江戸村!!!
いきなり忍者のカッコした人たちやら何やらが暗闇の中変なライトアップされながら、立ち回り!
なんなんだ??? と驚くわたしの前で台詞一つなく続く不思議な世界。
ていうか、これって時代劇だったの? と悩む観客をよそに立ち回りは延々続く。
特別うまいわけではない殺陣を見ながら、わたしの中で既視感が生まれる。
そうだ──そうだ。これは『日光江戸村』だ。
間違いない、これは『忍者からす屋敷 』(→こちらをどうぞ)。
ライトも音響もまさにそのもの!
ああ、日光江戸村のJACのみなさんはさすがにカッコよかった。
しかし目の前で繰り広げられるエセからす屋敷は・・・うーん、どうなんだろう。(笑)


■唐突にタウン誌編集部、現代コメディへ

日光江戸村は忍者からす屋敷が突如消え、そこに現れたのは緑が丘タウン(字は適当)のタウン誌、『EverGreen』編集部。
てーか、あの時代劇は何だったの??
ラストで少し関係あるのかしら慶長××年(年は覚えておりません)──て、それだけ?

困惑する観客(それともわたしだけ?)をよそに、個性豊かな編集者たちのコメディとして舞台は続いてゆく。
ま、ごくごく単純に楽しめましたよ。
わたし、こういうコメディは好きなので。
ヘタすると死ぬほど退屈になりそうなタイプの話を、しっかり立ったキャラでちゃんと動かしていたのでそこは正解。
キャラ立ちが甘い人もおりましたが、まあ、楽しめたかな?
声出して笑えるタイプのお芝居でございました。
わたしはやっぱ、「テレビに出れる!」と騒いでみんなが妙な格好で来ちゃうところだとか、
瞳と遊佐のプロポーズ=プロレス? のシーンとかが好きですね。
この手の芝居にストーリーだの結末だのというのは無意味かな?
それにしてもあの妙な借金取りコントはいらないでしょう。
何かと思った。あげく長いし。オープニングと同様意味不明。


■各キャストについて

結構出ずっぱり、主要キャストでしたねの児玉さん。
今回は太ってなかったと思います。(て、何観察してんだか)
一応悪役ですが、そんなに悪役でもない。
けっこう美味しい役だったような。
よく考えると1999年トーマ以来のシアターサンモールの舞台ですね。勝手に感慨ヒトシオです。

一番お気に入りだったのが瞳役の丸山優子さん。
あれ? 声優さんなのかしらと思ったぐらい声が特徴あり。
なんつーか、かわいいし、間がいいんだよね~。
SETのお人でした。
めずらしく帰宅してから名前Yahooで検索しちゃったわよ。

そして丸山さんの相手役にあたる遊佐役の増本庄一郎さん──て今ここまで書いて気づいた。このヒト、演出してんだ。
吉本興業なのね。てことはお笑い?
そういうの疎いので初めて知ったのですが。
この丸山&増本ペアがよかった~。いいカップルだわ。

生で見たの初めての冨永みーな。
プロデューサーってことですが、ほとんど出てきませんでした。
もっと出ずっぱりかと思っていた。
磯野カツオの役を引き継いでからますます声優界の殿堂入り? てなムード漂っています。
わたしの中の冨永みーなって、弟がやたらと見ていたパトレーバーのノアちゃんなんだよね(古い・・・)。

福本さん、なんか知人に似ているのが妙に気になったのですが
すごく旨い。かわいいし。そっかー、パルコ劇場のも出るのね・・・

下條アトムさん、世界ウルルンのナレーションやってくれただけで、とりあえずOK!
変なオヤジの役が板についてますね・・・

拍手

作・演出/松尾スズキ

ReviewWriteDate:2001/7/23
LastUpdate:2001/7/23

Cast:
宝生舞(サチコ)/阿部サダヲ(ミチオ)/松尾スズキ(アキトシ)/片桐はいり(ケイコ)
2001/7/6~2001/7/17 @本多劇場

Date:
2001/7/7 14:30 I6

Story:
アキトシは弟ミチオが強姦した女工・サチコと弟の責任をとるために結婚した。ミチオは事件以来、工場のプレハブに鎖に繋がれて生活している。そんな中、サチコの中学時代の教師、ケイコが工場に勤めにやってきたが・・・



ヒトコトReview:

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キャラクターが引っ張って行く世界

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すでに忘れかけている?(笑)マシーン日記です。
やっぱすぐ書かないと記憶が・・・

こちらは広岡由里子による場内アナウンス。
『悪霊~下女の恋』の逆バージョン、若干アレンジ版です。
『悪霊~下女の恋』観劇者はここですでに大喜び。


■強烈なキャラの強みが動かして行く『現実』世界

キャラ、なんかすごかったです。
片桐はいりすごいし、阿部サダヲすごいし、松尾スズキすごいし。
しっかし、濃すぎてちょっと疲れた。
テンションが常に高いので、テンションが低いわたしは(笑)ダウンしてしまいました。
宝生舞が一番普通? だったのでまだそこに活路を見い出しましたが。
もちろん、個性が強いのは面白いんだけど強烈な強みなんですが
延々ついてゆくパワーがわたしにはないんですな。きっと。

ストーリーは、うーん強烈なのかな。
あんまりそういう印象はなかったんですが。
おもしろいんだけど、これって何なの? みたいな。(笑)
10年前にこれを観たら衝撃的だったかもしれないけれど、今なら「ああ、いるいるそういうヤツ」みたいな日常に近いシチュエーションに思えてしまう。
衝撃的であることに意味をおいてはいないのでしょうが、なんとなく昔のお芝居なのかな、という気がしてしまう。なんなんでしょう、これ。期待大だから?

オープニングのシーンは、なにやらえらくカッコいいです。


■お宝? 宝生舞

今回賛否両論なのが、宝生舞。
いや、いいんじゃないの? なんかかつて苛められていた・・・というのがわかる感じだし。
あの妙に聞き取りにくい発音だとか、舌ったらずとか、変に合っていたような。
(舞台だからああなわけじゃなくて、テレビでも舌たらずな彼女)
個人的に宝生舞って好きなんで、宝生舞かわいいーーーていうモードで観れて楽しかったですね。
『悪霊~下女の恋』は楽日近かったのに特におざぶ席までは出ていなかったのですが
今回は初日から間もないのにおざぶ登場。
マシーン日記のが人気あるのかしら、と思っていましたがもしかして宝生舞ファン?
宝生舞ファンだとしたら、そりゃ、この舞台を見ないとね!
なにせグラビアアイドルじゃない、水着なんてめったに拝むことのできない宝生舞が、
スクール水着着てくれるんだから。
これはもう、ファンなら見ないとね。て、あたしゃ男か?(笑)


■マシーン3号、片桐はいり 恐怖の女の魅力?

恐怖、は「女の魅力」にかかっております。「女」にかかっているわけじゃありません。
なにが恐怖って、そりゃ片桐はいりがメチャ女っぽいことですよ!
誤解のないように言っておきますと、もちろん片桐はいりは女性ですし、女性っぽくて悪いわけじゃありません。当たり前のことなので。
片桐はいり演じるケイコ先生は、見た目男勝り、態度男勝りの体育教師で色気なんてカケラもないはずが
教え子とは結婚してるわ、ミチオとはすぐデキてしまうわ、
男の前だとその男勝りぶりにチラつく妙な女っぽさが凶器。
スレンダーな長身に、しっかり筋肉がついている身体がたまに妙になまめかしいんですわ。
なんなんでしょう、小島聖のダイナマイトボディを見たときよりも、ドキドキしたんですけど。
小島聖はすごいわかりやすいセクシーさ、一度脱いだら怖いものナシ! てなグラビアアイドル系だったんですが、
片桐はいり──いっそ、恐怖でしたわ、あの色気・・・。

拍手

作・演出/松尾スズキ

ReviewWriteDate:2001/7/6
LastUpdate:2001/7/8

Cast:
宮藤官九郎(タケヒコ)/大浦龍宇一(ハチマン)/小島聖(ナミエ)/広岡由里子(タケヒコの母・キメ/ホキ<下女>)
2001/6/22~2001/7/3 @本多劇場

Date:
2001/6/30 14:30

Story:
タケヒコとハチマンはお笑いコンビ。新たにテレビのレギュラーを得たところだが、その収録直前、タケヒコは交通事故で半身不随になってしまう。タケヒコの妻・ナミエはハチマンとの間で子供ができてしまう。ハチマンとナミエはその子をタケヒコの子としてしまおうとするが・・・



ヒトコトReview:

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クドカンなくしては成立しない悪霊世界

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上演前の片桐はいりの場内アナウンスからして笑わしてもらいました。
でも結局携帯鳴らしてるヤツ(バイブ、音付含め)いましたね。
気になって仕方ないので、マナーは守りましょう。
そんなわけでスズキビリーバーズ、まずは『悪霊~下女の恋』


■悪霊の意味

悪霊って、結局誰のことだったんだろう?
というぐらいに、頭混乱しています。
どういう風にでも解釈可能。どうとでもとって下さい。全部間違ってるけどね──みたいな挑発を勝手に感じているのはわたしだけ?(笑)
もう1回ぐらい見ないとなんとも言えません。なんか書くとウソつきになりそう。。。
でもまあ、悪霊と契約したと言うクドカンこそがキュートな悪霊でしたわ。(笑)

それにしてもわたし、後半下女ホキが出てくるまでこの芝居のサブタイトルを「悪霊~シモジョの恋」と誤解していました。
誤解──というか、「ゲジョ」と読んでいなかった。(笑)
わたしって読み間違え大王で、多少変な名前でも自分の中で納得できるとそれが正しいと覚えちゃうんですよね。
ああ、恥ずかしい・・・・・。
広岡さん演じるホキが下女として現れてはじめてタイトルとの関連に気付くわたし。
とはいっても、はたしてホキがタイトルにかかげられるほどの存在なのかどうかはイマイチわからず。
いえ、存在感は抜群でしたけど。(笑)
でもまあ、客観的に言えばストーリーを動かすタイプの役じゃないはずなので。

途中まで見ながら気付いた第二弾としては「あ、これが噂の・・・」ということ。
今まで松尾スズキに関する記述でよく「障害者などのタブーを描く」と読んでいたのですが
クドカン演じるタケヒコは果てしなく明るい一場の後、突如交通事故で障害者になっているわけです。
ヘビーと言えばヘビー、それを笑いにしてしまうシニカルさ。でも多分拒否反応を起こす方もいるんじゃないでしょうか。


■各キャストについて

やっぱりこの人、宮藤官九郎。
めちゃめちゃ、いけてました。
とにかく動く動く! 車椅子になってからも超機敏。
この人なくしてこの『悪霊』は成立しないでしょう。
交通事故後の車椅子での態度もすごいし、ラスト近くで大浦さんと歌うあの歌(井上の歌?)もすごい。
哀愁に満ちているというか・・・笑
女装して車椅子で変な歌を歌うクドカン・・・キュート。
ちゃんとフェイクまで入れているところが泣かせる。
あれってCDとか出てるんでしょうか?
トップランナーでは自分のことを「役者としては使いたくない」みたいなこと言っていたけど、
ちがーう、役者の姿もイカシテルわ!
そしてこの人、広岡由里子子。
母親キメも下女ホキもなんかすごい。
ルーズソックス、意外と似合っておりました。

ダイナマイトボディ、小島聖。
ていうかわたし、それしか覚えてないかも・・・
事前情報として「えー身体しとる」みたいなことを聞いていたのですが、まさにその通り。
『タスマニア物語』は遠い昔のことなのね。
寝っ転がっても流れない胸と谷間! うーん、すごい。
演技は・・・どうなんでしょう?
前半はあの妙な京都弁が耳について仕方なかったですし、
何やっても全然おもしろくなくてかーなーり寒かったんですが
お芝居自体が動き出してきたらわりと平気になりました。
ていうか、ダイナマイトボディが意味をなしてから──といいますか。
ダンナ・クドカンの異母兄弟・大浦との浮気が現実味を帯びるのは、やっぱこのダイナマイトボディのおかげじゃないでしょうか??

ラスト、大浦龍宇一。
わたしテレビドラマってほっとんど見てないんで、彼の名前はなんとなく見たことはあるものの、誰なのかは全然知らなかったです。
で、そんな彼宛のお花が一番多かった。藤原紀香からも来てたな(笑)。
そしてビッグな人からばっかりだった。
ちなみにクドカン宛にはNHKトップランナーから届いていた。なんだそれ?(そりゃ、最近出演してましたけどね)

拍手

作・演出/野田秀樹

ReviewWriteDate:2001/7/6
LastUpdate:2001/7/8

Cast:
堤真一(耳男)/古田新太(マナコ)/入江雅人(オオアマ)
深津絵里(夜長姫)/京野ことみ(早寝姫)/野田秀樹(ヒダの王)
大倉孝二(エンマ)/犬山犬子(ハンニャ)/荒川良々(赤名人)/平沢智(青名人)
東地宏樹(耳鬼)/朱門みず穂(アナマロ)/川端良香(マネマロ)/朝川真帆(モロマロ)/住吉世メ子(ホレマロ)/石村実伽(エナコ)/福寿直子(エナコ)/石井圭太(カメタ)/宮川大輔(カタメ)/金子あい(ビッコ)/蟹江一平(ブッコ)/黒沢あすか(ボッコ)/松下哲(クニの人)/宮下今日子(クニの人)
2001/6/1~2001/6/30 @新国立劇場中劇場

Date:
2001/6/20 19:00 20-14

Story:
ヒダの匠の弟子・耳男は、師匠を殺害してしまうが、その直後にヒダの王家に匠と間違えられ連れ去られてしまう。そこにはやはり名人の匠を殺害し、匠と間違えられて連れてこられた山賊のマナコと、その素性を黙して語らないオオアマと名乗る名人も集められている。この3人にヒダの王が命じたのは3年の後に王家の姫の夜長姫と早寝姫の身を護るミホトケの仏像を彫ることであった。それぞれの部屋で仕事を始める3人だが、一向に進む様子はない。やがて約束の3年。姫の16の正月が来る・・・・・・



ヒトコトReview:

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降りそそぐ桜の世界を「やや」傍観

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仕事しながら周囲の目を盗んで勤しんだチケット取り。
結局S席最後列、一番はしっこというどうせならA席前のがいいんじゃない? という席にて観劇してまいりました。


■桜と世界観

しょっぱなから、余談です。

好きな花はと聞かれれば桜と答える日本人は多いと思うのですが
わたしもそのうちの1人。
そして桜ときいて思い出すのは、何故か数々の美術の提出作品。(笑)
何故か空想画という時に必ず桜を描いてしまうのです。
それも異次元空間に浮かぶ桜だったり、洪水で水中に沈んだ都市の上に浮かぶ桜だったり(そして自分だけがその木の上で助かっている 笑)、とにかく地についた桜じゃないんです。
素材は七宝焼きだったり油絵だったり様々なのですが・・・・・・。
わたしの中での桜のイメージは、日常から乖離した異質なもの、なわけです。

桜の下には死体が云々というイメージも、紀友則の「久方の~」の歌がふと脳裏を過ぎったりするのも、桜と聞けば花見とお酒! だったりする感情も、日本人と桜との関係というのは実に興味深い。
多くの日本人の頭の中では、安吾を読んでいなくても、『桜の森の満開の下』と聞くと瞬時に頭の中で異質な世界観が芽生えるのではないでしょうか。
そういった無意識の世界観に支えられているわけです──『贋作 桜の森の満開の下』は。
無条件で多量のイメージが味方になってるくれるんだから、題材としては勝ち組だよなあって思ったりして。
同じように満開の桜、散り続ける桜を見たとき、ワシントンDCを歩くアメリカ人が同じ感傷にひたるとは思えませんしね。


■そして野田桜の世界

で、本編。
相変わらずいつものように言葉と世界と人間がいいたりきたりする、ややこしさ。
こういうの好きなんだけど、毎回頭がついてゆかないの、わたし頭悪いのかしら。
古代の王国あり、謀反あり、国づくりあり、大仏開眼あり、そんな中もちろん昼と夜があって、生者あり死者あり、それを人間と呼んでみたり鬼と呼んでみたり、ごった煮の中にやっぱり夜長姫と耳男がいて。
色んな方向に奥行きがあって、あっちに走りこっちに走りして見ているこっちがぜえぜえ言っちゃう。
いや、そこが好きなんですけどね。
最近物忘れ? が激しいので大海皇子と大友皇子がどっちがどっちか一瞬わかんなかった。恥ずかしい。
本棚見てみたら『桜の森の満開の下』の中に『夜長姫と耳男』も収録してあったんでかつて読んだことはあるんだろうけどさっぱり覚えていなかったわたしには、安吾の世界というよりも野田秀樹の世界でした。
(久しぶりに本を読み直すと印象変るかもしれないですが・・・・・・)
パンドラ~もこの延長線上にある気がするですよね。
そして一番イメージがわくのが梅原猛の世界でした。
出雲に関する記述だったり(『「神々の流竄」』)、聖徳太子の怨念を封じた法隆寺だったり(『隠された十字架』)、あのイメージが根強かったです。


■そして舞台そのものは

なんというか、遠かった──。
座席が、なのか中身なのか・・・・・・。
今までNODAMAPの公演ってよい座席だったので、こんな後ろで端っこだったのは初めてでして
だからこう感じるのかな~?
『死の泉(再演)』で言ったことと同じことを言わなきゃいけないのが切ないんだけど、アンサンブルたち、声届かないよ。
何言ってるか聞き取れないんだもん。
メインキャストじゃないんで「誰が」とは言えないんですが、全般的にみんな声が小さい。はっきりしゃべって~。
あげく席が端っこだから舞台の奥まで見られないんだよね。
奥行きがあるのはわかるが、見えなきゃ話にならないっつーねん。
なんだかお芝居は面白いが遠いところでやっている感じで、キャスト個々の問題もあってあんまり鬼気迫る感じもなかったし、最後の桜のシーンまで感情がどーんと動くことがない。
これはちょっと淋しい。
お話自体はすごく好きなのに、ちょっと遠めで眺めてしまうような感じで、正直残念です。。。


■各キャストについて

やはり深津姫、もとい、夜長姫。
初演も再演も見ていないのでなんとも言えないですが、狂気みたいなものは感じなかった。
深津姫かわいーし、演技も下手なわけじゃないんだけど、夜長姫としては怖くないというか。
耳男が惹かれる理由もあんまり感じないし。
夜──のイメージがあんまりなかったんですね。それは京野ことみ演じる早寝姫との対比があまりないままにあっさり早寝姫が死んでしまうからでもあるんですが。
ラストは確かにすごいんだけど、急にすごくなる感じでちょっと違和感。
毬谷姫はどうだったんでしょう?
ちなみに深津姫とことみ姫の衣装は中国風なんですが、ことみ姫の衣装の方が好きです。超かわいいです。
でもああいう衣装は上半身が華奢じゃないとカッコ悪いので間違っても着てみたいとは言いませぬ。

堤真一の耳男は、結構好印象。
(いや、深津姫も好きですよ。文句なしにかわいいから)
パンドラ~ではわたしの中の勝村さんのイメージに負けちゃってたんであんまり印象よくなかったんですが。
女優には手を出さない主義?

あいかわらず好き放題な古田新太氏。
やっぱ好きだわ~。
でもま、いつも同じイメージではあるんだけど。

入江雅人さん、よかった! というか個人的に好き。
結構台詞聞きづらいところがあったのが悲しいですが、キャラが好き。声も好きかも。
単なる趣味の問題ですが。

犬山犬子、彼女もヒット! 存在そのものがかわいい。キュートです。

拍手

原作/夢枕獏
脚本/佃典彦(劇団B級遊撃隊)
演出/寺十吾(tsumazuki no ishi)
ReviewWriteDate:2001/6/19
LastUpdate:2001/6/19

Cast:
児玉信夫(カザフの少年)/石橋祐(カール)/小林勝也<文学座>(アルベルト)

東京ひつじ:
中島啓文/佐野大樹/橋本弥寿子/宇都宮充子/若宮広和/橋本哲男/梶原未裕/津田益宏/村上祥子/新川夏美/前田桜子/朝日春花/服部拓哉/松浦栄子
2001/6/2~2001/6/6 @スペースゼロ

Date:
2001/6/2 19:00 A9

Note:
KOtoDAMA企画第2回公演
Story:
アメリカから自由な逃避行を続けるアルベルトは、実はもう死んだことになっている老物理学者。
わがまま放題のアルベルトにつきそうのは、病院の手先のはずのカール。
彼らがカザフスタンの大地で出逢ったのは、羊飼いの少年と羊たちだった。



ヒトコトReview:

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ゆっくりと一緒に癒されましょう

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癒し系って言葉が流行っているわけだから、もしかしてこのお芝居も今年がタイムリーなのやも。
と、のんびり構えていたらあっと言う間に観劇日から時が過ぎ、すでに忘れかけている気がする感想。
端的に言うと好きなタイプのお話で羊は超キュートだし、キャストもよかったんで好印象! なんですが
「変なモン見せるな~」という怒りのエネルギーだとか
「もう、最高だようううう」という感謝感激の嵐だとか
ぐるぐる回るほどの何かがないと、感想書くパワーがわかないんですよねえ。(言い訳)


■のんびりと哲学する

というわけで、行って参りましたKOtoDAMA企画第二弾。
前回の『陰陽師』では主宰者よりも浦さんの博雅に注目状態だったわたしですが
今回は──羊ちゃんに注目。(笑)
着ぐるみ、超キューーート!!!
子どもたちがお芝居するのが楽しくてしかたないって感じで飛び回っているからもうかわいすぎ。
子供使うの反則だよな~。
あの羊ちゃんだけで勝負は決まったって感じ。負けたわ負けたわ。
陰陽師に引き続き出演の佐野君羊もかわいい!
羊だって演技してます。

お話はすごく哲学的な、ある意味童話的なお話。
脳を使いながら、そうかーと一緒に考えたりもする。
派手? なアクションが妙に浮いていた感の拭えない前作に比べたらすごく素直に作っているし気負いがない。
空があって羊がいて、今だけ少年のはずの少年がいて。
カザフかどうかは見ててわかんないですが、のんびりした空気。
1時間半ほどの舞台、ゆったりのんびり、楽しむことができました。
いいよね、こういうの。


■各キャストについて

キャストについて──と言っても羊を除くと三人しかいないんだけど。(笑)

まずは少年、児玉さん。
気になったのはあの妙~な帽子だなあ。
頭怪我してるのかと思ったよ。包帯押さえているネットに見えたから。
(これは個人的にバックグラウンドがあっての感想だからなんとも・・・・)
さすがにいい年なので少年に見えるかって言われると絶対少年じゃないんですが
(少年を演じている大人ではあります。巧妙にね)
好感は持てる感じ。
しっかし最前列だったせいか、お肌の荒れが気になりました。
少年じゃないよねーって思う原因はそれだったりもして。ドーラン、塗りたくってないからだけどさ。
たまおさん、わたしと一緒にSK-Ⅱピテラしましょう。(でも高くて買えない)
でもまあ、作品のこと好きなんだなーっていうのが素直に伝わってきてよかたったです。

『SANCTUARY』で「こいつ噛み噛みだぜ」て思った石橋さん。やっぱ噛んでました。
これはもうこの人の個性なのね。
いや、役者が噛むのがいいってわけじゃないんだけど、しゃーないんでしょう。
(某劇団主宰は許さないけどね)
汗いっぱいかきながらの熱演。『SANCTUARY』より全然はまってました。
皮肉っぽくありながらもお人好しな感じがよかったです。
はじめキャスティングされていた浦さんがおめでたい理由で引退? されてしまって非常に悲しかったのですが、
カールに関しては石橋さんのがハマル感がありました。
『SANCTUARY』、多分役が嫌いだったんだね。

はじめはちょっと入り込みにくかった小林さん。
(脱いだらあんた、死にそうな老人じゃないでしょ・・・)
でも実は一番好きかも。
ひとこと、ひとこと、大人の愛がありますねえ。
いいもん見せていただきました。

などなど、全体的にほんわかした、ぼーっとした、そんな感想しか自分の中に生まれてきません。
このお芝居はこんな感じ方でいいんじゃないかなーと思いつつ。


■余談ですが・・・

余談なのですが、終演後後ろの席から聞こえてきた会話に、わたしは己の耳を疑いました。
二人連れの片方がもう一人に向かって「アインシュタインとは」って説明してるんですよ。
ええええええーーーてな具合に、固まりました。
いや、相対性理論を説明しろって言われてもできませんけどわたし、でも舞台に現れた時から普通アインシュタインを模している(またはそのもの)ぐらい、常識的にわかりますよねー?
で、ラストにちゃんと明かしてなお、アインシュタインを『知らない』わけだ……。
いやはや、これが世代の差? とか勝手に感じてしまいました。
ああきっと今の子供たちは光GENJIとか知らないんだよな、みたいな。
(いや、次元が違うのはわかっていますけどね)

拍手

脚本・演出/倉田淳
原作/皆川博子

ReviewWriteDate:2001/6/7
LastUpdate:2001/6/7

Cast:
A Cast/
及川健(青年エーリヒ)/舟見和利(ミヒャエル)/鶴田浩一(ゲルト)/小林浩司(ニコス)/藤原啓児(モニカ)

B Cast/
山本芳樹(青年エーリヒ)/及川健(ミヒャエル)/奥田努(ゲルト)/青木隆敏(ニコス)/石飛幸治(モニカ)

共通Cast/
笠原浩夫(青年フランツ)/甲斐政彦(クラウス・ヴィッセルマン)/岩崎大(マルガレーテ)/曽世海児(ギュンター・フォン・フュルステンベルク)/楢原秀佳(少年フランツ)/深山洋貴(少年エーリヒ)/山崎康一(ブリギッテ・スミス)/高根研一(ヘルムート)
佐野孝治(パウラ婦長)/船戸慎士(グラーフ)/姜暢雄(レナ)/小野健太郎(リロ)/青山治(ゾルマン長官)/前田倫良(SS軍人)/寺岡哲(SS軍人)/末松一仁(祖母)/河内喜一朗(ヘルマン大佐)

2001/5/23~2001/5/31 @シアターアプル

Date:
2001/5/26 13:00 17-15
2001/5/26 19:00 11-26
Note:
1999年上演作の再演
Story:
私生児をみごもりナチの施設(レーベンスボルン)の産院に身をおくマルガレーテは、不老不死を研究し芸術を偏愛する医師クラウスの求婚を承諾した。
が、激化する戦火のなか、次第に狂気をおびていくクラウスの言動に怯えながら、やがて、この世の地獄をみることに・・・
(パンフレットより)



ヒトコトReview:

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どこか遠くの泉で・・・

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1999年の『死の泉』初演はわたしにとって忘れられない一本です。
初演のエーリヒにて児玉さんに一目惚れ──いや、『トーマ』だって『ヴァンレジェ』だって観て居るんだから正確には一目惚れじゃないんだけど──したわけです。
リロの酒場に真っ赤な衣装で現れたエーリヒ、たまおさんのあの目。
すかした表情とスカート裁き。
2幕はたまおさんに目がくぎづけ、勢いあまってClubライフに入会したのもこの後でした。
そんな思いで深い『死の泉』の再演です。

約2年の時が過ぎ、わたしが惚れ込んだ児玉さんも退団。
思えば他の主要キャストももういません。
可憐なヒロインぶりで「あたしが守ってあげるわ~」と思わせた瀧澤さんのマルガレーテ。エキセントリックなあまり愛らしささえ感じた澤さんのヘルムート。
大丈夫か? という不安をよそに好演してくれたスーパー高校生。(今なにしてんだろ。どっかで父親──ヤンパパ? とかやってんじゃないかと不安)


■シアターアプルという場所とその距離

やっぱ、青山円形劇場の力って大きかったのね。
最後列だったわたしが5列目という近距離。
観客で舞台──空間を囲い込み入り込む円形劇場ならではの演出と演出家曰くの『風』。
味方にしたものの多かった円形劇場からすかすかな印象を与えるひろーいシアターアプル。
風は、吹いてなかったよね?
花道で多少は風かせたのかもしれないけど、一番後ろのブロックのわたしには当たり前だけど届かないわよ! 微風すぎ!

というわけで、なんか舞台が遠かった──。
遠くから眺めているような妙な距離感は物理的な距離だけじゃなくてハートの距離といいますか。
不思議と冷めた、つきはなしたような感じで観てしまいた。
原作は破綻を感じつつも面白いと思うし勢いで読ませるし、初演だって面白い! て思ったのに何かね、この遠さは。
わたし側の問題なのか、はて──。
シアターアプルのせいにできればいいんでしょうけどね。
まあ、色々原因は考えられるわけですが。


■お時間についてヒトコト

それにしても、19:00にはじまって終演22:30ってどうなんでしょう?
あげく歌舞伎町はえらく込んでいてJR新宿駅につくまで何分かかったことか・・・
3時間半って、どうなの?
途中休憩も入りますが、受け手にとってはすべてひっくるんでの時間ですからね。
普通、なにやっても3時間以上同じ緊張感を保つなんて無理ですよね。
トーマも長いし訪問者も長い。長すぎる。
だけど死の泉の長さは群を抜いている気がする。
特に一幕が長い~。
楢原さん素晴らしいんですが、そういう問題じゃなくて舞台が冗長。だらだらしすぎ。
かろうじて二幕は動きがあるから耐えられるけれど。
今回は2キャストを観るためにマチネ-ソワレの連続観劇だったんですが、
ソワレ、一幕船こいでました。眠すぎる~。
キャストもほとんど変らないということもあって「ええい寝ちゃえ」ぐらいのことを思っていたのもたしかだし。
石飛さんのモニカだけマチネと違うんでそこは必死で起きるようにしてたんだけど。
(石飛さんはよかったです!)
確かにマチネ観劇で疲れてたけどね。お酒も飲んだけどサワー1杯だよ。ワインとかじゃないもん!

だいたい、なんか時間単位のパフォーマンス悪いんだよなー。
野田地図とかって1時間半ぐらいでも中身ぎっしりだし頭も使うしで約7000円でしょ。
ライフって3時間以上延々やって4000円ぐらい・・・。
時間単位では安いんだけどさ、なんかなんだかなー。
同じ1時間に収まっている密度が薄すぎるのかなー。だからこんなに時間かかるの?
前からこの長時間上演は苦痛で仕方なかったのですが、今回は特に辛かった。
遠方から来てた友達はあやうく帰れないところだったよ。

原作のどのページをカットしていいかわからない・・・みたいですが、演出家さん。
それが構成力ってもんでしょう。
減らせるシーンはいくらでもあるんじゃない?
特にあの祖母!への回想シーンとか!!

原作といえば・・・原作者がパンフレットで思いっきりネタバレしてましたね。
わたしは初演前に原作も読んでいるんでネタバレってほどではないですが
読んでいて意味不明だったところを説明されてしまった。
ていうか、わたし作家がその作品について説明しちゃうのって、嫌いなんですよね。
自分がどう思って書いていようと、そんなこと読者には全く関係ないんですよ。
わけわかんないものはわかんないし、説明不足は説明不足。それでも面白ければ十分だしつまんなきゃ最低。
感情を誤解して受け取ってたってそれは読者の権利なんですから。
「実はこういう意味なの」
ていう説明は、読者に作品預けられてないわけだし、独りよがりですよね。
まあ、相手は直木賞作家さんなんでわたしがつべこべ言うことじゃないかもしれないですけどね。
読者の立場としては、説明されたくないですね。。。
それにしてもそのネタバレの内容って、何人がそうと読みとれているんだろう?
わたしは結構勢いで読み飛ばしている恐れがあるんで大きいことは言えませんが。
『瀧夜叉』読んだ時も思ったんだけど、皆川博子の長編ってラスト近くなると筆走りすぎてわけわかんなくなっちゃうところありません?
『瀧夜叉』は最初すごく面白かったんですが、途中から妙なことになっちゃったし。


■各キャストについて

まずは主役級から。

クラウスの甲斐さん、結構好きなんですが今回は声が聞き取れないことが多かったです。
クラウスの台詞ってストーリー上聞こえてないと困ることが多いんだけど、
「え? 今なんて言った??」
みたいなシーンが多すぎました。
顔もなんかメイクしてたみたいですが、後ろ過ぎて見えません。。。
上でStory欄打ちながら「クラウスってそういえば不老不死の研究してたんだ」と原作を思い出すわたし。
舞台上のクラウスって研究者って感じはしないし、別に次第に狂気を帯びてきてる? いつも怒っている印象しかなかったんだよなあ。
 
マルガレーテ岩崎さん、前ほど拒否反応はないですが、母親って感じもしないし守りたくも感じない。かといって意志があるタイプに見えるかって言われると・・・見えない。
狂気もなんも感じないしなんなんだろう。でも美人にはなりました。
どうでもいいことなんですが、二幕の回想シーンでちゃんと一幕の衣装で出て来るにも関わらず1シーンだけ衣装間違ってました。時間ないから?

ギュンター曽世さん。
相変わらずって感じ。生え際がすごく気になります。
ギュンターってお金持ちなのね、お城持ってるなんて。
なんで売る気がないのかさっぱりわかんないんだけど。ドイツ人っぽくないし。(笑)
気になったのはマルガレーテの日記を読むシーン。
ギュンターが日記を読むとその隣で回想シーンがはじまるわけですが
回想シーンがはじまると、首そっちに向けてしまうのね。
日記読んでるんじゃないのか、あんた!?
回想シーン観て驚いた顔されてもなんか変な感じ。
日記に視線をやりながらも回想シーンの出来事と合わせて驚いたりとかってできないもんなんでしょうか?
すっごく気になりました。

小フランツ、楢原さん。
今回の公演で唯一胸を締め付けられたのが二幕の回想シーン、死にかけたエーリヒをかついでやってくる楢原さん。
フランツー!! て感じ。
楢原フランツを見れただけでも今回はよしとするか。

小エーリヒ、深山さん。
初演は「おいおい、頭大丈夫か?」とか思いながら観ていたのですが
(だって4歳だか5歳だかにはやっぱり見えないからさ)
今回は気にならず。
ハッピファミでも思いましたが、いくつになっても少年いけてます!!

大フランツ(笑)、笠原さん。
個人的には初演よりはよかったような。初演、軽すぎたし。今回は少しは重みもあるというか。
でも一緒に死にたいほどマルガレーテが好きなようには見えないんだけど。

大エーリヒは及川さんと山本さんのW。
お二人とも、細すぎ。
どっちが違和感なかったかっていうと及川さんかな。
あーでもやっぱりたまおさん一番! の思いが拭えなかったんでどっちもピンとは来なかったですが。
山本さん、カッコイイ人ではあるんですが彼のエーリヒは何か違う。
あと髪型が気になってしかたなかったっす。

Wミヒャエルは及川さんと舟見君。
どっちもよかったです。
ほんと、舟見君成長したね~。
個人的には及川さんのミヒャエルはよかった!
死人としての自分への思い、自分が実はミヒャエルじゃなかったと知った後の動揺、
息子ではなかったと知ったギュンターに甘えられないそのおびえ。
常に台詞なきシーンでも演じ続けていたわけで、ミヒャエルのそんな動きを常に追ってしまいました。
舟見くんもやってたのかもしれないけどね。観てなかったというか。(笑)
でも脱がなくていいってば。絶対。

ヘルムート高根はというと、なんか変に澤さんのコピーだったな。
原作のヘルムートも怪しい人ですがああいう怪しさの印象はなかったんですね。
だからこそあのキュートな澤ヘルムートを観た瞬間にヘルムートがすごく美味しい役になったわけで
あの演出って澤さんに対してやったものじゃないかなーと思うわけです。
だから同じ演出を違う人にやっても意味ないんでは。
所詮高根さんは高根さんであって、澤さんのあの圧倒的な存在感とは別モノですよね。
高根さん用のヘルムートを演じればこうも下手なコピーの印象は拭えたんでしょうけど。
これは高根さんだけの問題じゃないよねー、ほんと。

モニカのWは石飛さんと藤原さん。
藤原さんはあんま変らない。ほんといつも同じ。
石飛さんはよかったー。女の怖さがわかるわー。ニヤリとする瞬間が素敵!

Wゲルトは鶴田さんと奥田くん。
まあ、どっちもよかったかな。
個人的には高根さんにおっかけられる鶴田さんってのがおかしかったけど。
でもまあ、スーパー高校生のがワルっぽくってよかったよね。

これだけはどうしても観たかったやまさきブリギッテ!
安心して観ていられるのは嬉しい。楽しかったわ。

以下は脇キャラですが・・・・

小林さんは天然ですよね。好きです。
天然じゃ負けちゃいない新星青木くん。気になります。やっぱ気になる。
船戸さん、うーんどうなんだろう。よくわかんない。印象がない。
小野さん、キレイだけど声ききとれないー。
姜さん、台詞なかったんでよかったです。(失礼なわたし)
主宰、出番少ないんだからせめて台詞はちゃんと言ってください。
青山さん、少々聞き取りにくいです。
ま、全体的に言ってほとんどみんな聞き取りにくいんですけどね。数人を除いては・・・みんな発声練習とかしてないだろうか。
  さん、なまりのせいでほとんど聞き取れない・・・(脳神経が翻訳を必要とするってどういうこと?)

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