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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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脚本・演出/倉田淳
原作/皆川博子

ReviewWriteDate:2001/6/7
LastUpdate:2001/6/7

Cast:
A Cast/
及川健(青年エーリヒ)/舟見和利(ミヒャエル)/鶴田浩一(ゲルト)/小林浩司(ニコス)/藤原啓児(モニカ)

B Cast/
山本芳樹(青年エーリヒ)/及川健(ミヒャエル)/奥田努(ゲルト)/青木隆敏(ニコス)/石飛幸治(モニカ)

共通Cast/
笠原浩夫(青年フランツ)/甲斐政彦(クラウス・ヴィッセルマン)/岩崎大(マルガレーテ)/曽世海児(ギュンター・フォン・フュルステンベルク)/楢原秀佳(少年フランツ)/深山洋貴(少年エーリヒ)/山崎康一(ブリギッテ・スミス)/高根研一(ヘルムート)
佐野孝治(パウラ婦長)/船戸慎士(グラーフ)/姜暢雄(レナ)/小野健太郎(リロ)/青山治(ゾルマン長官)/前田倫良(SS軍人)/寺岡哲(SS軍人)/末松一仁(祖母)/河内喜一朗(ヘルマン大佐)

2001/5/23~2001/5/31 @シアターアプル

Date:
2001/5/26 13:00 17-15
2001/5/26 19:00 11-26
Note:
1999年上演作の再演
Story:
私生児をみごもりナチの施設(レーベンスボルン)の産院に身をおくマルガレーテは、不老不死を研究し芸術を偏愛する医師クラウスの求婚を承諾した。
が、激化する戦火のなか、次第に狂気をおびていくクラウスの言動に怯えながら、やがて、この世の地獄をみることに・・・
(パンフレットより)



ヒトコトReview:

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どこか遠くの泉で・・・

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1999年の『死の泉』初演はわたしにとって忘れられない一本です。
初演のエーリヒにて児玉さんに一目惚れ──いや、『トーマ』だって『ヴァンレジェ』だって観て居るんだから正確には一目惚れじゃないんだけど──したわけです。
リロの酒場に真っ赤な衣装で現れたエーリヒ、たまおさんのあの目。
すかした表情とスカート裁き。
2幕はたまおさんに目がくぎづけ、勢いあまってClubライフに入会したのもこの後でした。
そんな思いで深い『死の泉』の再演です。

約2年の時が過ぎ、わたしが惚れ込んだ児玉さんも退団。
思えば他の主要キャストももういません。
可憐なヒロインぶりで「あたしが守ってあげるわ~」と思わせた瀧澤さんのマルガレーテ。エキセントリックなあまり愛らしささえ感じた澤さんのヘルムート。
大丈夫か? という不安をよそに好演してくれたスーパー高校生。(今なにしてんだろ。どっかで父親──ヤンパパ? とかやってんじゃないかと不安)


■シアターアプルという場所とその距離

やっぱ、青山円形劇場の力って大きかったのね。
最後列だったわたしが5列目という近距離。
観客で舞台──空間を囲い込み入り込む円形劇場ならではの演出と演出家曰くの『風』。
味方にしたものの多かった円形劇場からすかすかな印象を与えるひろーいシアターアプル。
風は、吹いてなかったよね?
花道で多少は風かせたのかもしれないけど、一番後ろのブロックのわたしには当たり前だけど届かないわよ! 微風すぎ!

というわけで、なんか舞台が遠かった──。
遠くから眺めているような妙な距離感は物理的な距離だけじゃなくてハートの距離といいますか。
不思議と冷めた、つきはなしたような感じで観てしまいた。
原作は破綻を感じつつも面白いと思うし勢いで読ませるし、初演だって面白い! て思ったのに何かね、この遠さは。
わたし側の問題なのか、はて──。
シアターアプルのせいにできればいいんでしょうけどね。
まあ、色々原因は考えられるわけですが。


■お時間についてヒトコト

それにしても、19:00にはじまって終演22:30ってどうなんでしょう?
あげく歌舞伎町はえらく込んでいてJR新宿駅につくまで何分かかったことか・・・
3時間半って、どうなの?
途中休憩も入りますが、受け手にとってはすべてひっくるんでの時間ですからね。
普通、なにやっても3時間以上同じ緊張感を保つなんて無理ですよね。
トーマも長いし訪問者も長い。長すぎる。
だけど死の泉の長さは群を抜いている気がする。
特に一幕が長い~。
楢原さん素晴らしいんですが、そういう問題じゃなくて舞台が冗長。だらだらしすぎ。
かろうじて二幕は動きがあるから耐えられるけれど。
今回は2キャストを観るためにマチネ-ソワレの連続観劇だったんですが、
ソワレ、一幕船こいでました。眠すぎる~。
キャストもほとんど変らないということもあって「ええい寝ちゃえ」ぐらいのことを思っていたのもたしかだし。
石飛さんのモニカだけマチネと違うんでそこは必死で起きるようにしてたんだけど。
(石飛さんはよかったです!)
確かにマチネ観劇で疲れてたけどね。お酒も飲んだけどサワー1杯だよ。ワインとかじゃないもん!

だいたい、なんか時間単位のパフォーマンス悪いんだよなー。
野田地図とかって1時間半ぐらいでも中身ぎっしりだし頭も使うしで約7000円でしょ。
ライフって3時間以上延々やって4000円ぐらい・・・。
時間単位では安いんだけどさ、なんかなんだかなー。
同じ1時間に収まっている密度が薄すぎるのかなー。だからこんなに時間かかるの?
前からこの長時間上演は苦痛で仕方なかったのですが、今回は特に辛かった。
遠方から来てた友達はあやうく帰れないところだったよ。

原作のどのページをカットしていいかわからない・・・みたいですが、演出家さん。
それが構成力ってもんでしょう。
減らせるシーンはいくらでもあるんじゃない?
特にあの祖母!への回想シーンとか!!

原作といえば・・・原作者がパンフレットで思いっきりネタバレしてましたね。
わたしは初演前に原作も読んでいるんでネタバレってほどではないですが
読んでいて意味不明だったところを説明されてしまった。
ていうか、わたし作家がその作品について説明しちゃうのって、嫌いなんですよね。
自分がどう思って書いていようと、そんなこと読者には全く関係ないんですよ。
わけわかんないものはわかんないし、説明不足は説明不足。それでも面白ければ十分だしつまんなきゃ最低。
感情を誤解して受け取ってたってそれは読者の権利なんですから。
「実はこういう意味なの」
ていう説明は、読者に作品預けられてないわけだし、独りよがりですよね。
まあ、相手は直木賞作家さんなんでわたしがつべこべ言うことじゃないかもしれないですけどね。
読者の立場としては、説明されたくないですね。。。
それにしてもそのネタバレの内容って、何人がそうと読みとれているんだろう?
わたしは結構勢いで読み飛ばしている恐れがあるんで大きいことは言えませんが。
『瀧夜叉』読んだ時も思ったんだけど、皆川博子の長編ってラスト近くなると筆走りすぎてわけわかんなくなっちゃうところありません?
『瀧夜叉』は最初すごく面白かったんですが、途中から妙なことになっちゃったし。


■各キャストについて

まずは主役級から。

クラウスの甲斐さん、結構好きなんですが今回は声が聞き取れないことが多かったです。
クラウスの台詞ってストーリー上聞こえてないと困ることが多いんだけど、
「え? 今なんて言った??」
みたいなシーンが多すぎました。
顔もなんかメイクしてたみたいですが、後ろ過ぎて見えません。。。
上でStory欄打ちながら「クラウスってそういえば不老不死の研究してたんだ」と原作を思い出すわたし。
舞台上のクラウスって研究者って感じはしないし、別に次第に狂気を帯びてきてる? いつも怒っている印象しかなかったんだよなあ。
 
マルガレーテ岩崎さん、前ほど拒否反応はないですが、母親って感じもしないし守りたくも感じない。かといって意志があるタイプに見えるかって言われると・・・見えない。
狂気もなんも感じないしなんなんだろう。でも美人にはなりました。
どうでもいいことなんですが、二幕の回想シーンでちゃんと一幕の衣装で出て来るにも関わらず1シーンだけ衣装間違ってました。時間ないから?

ギュンター曽世さん。
相変わらずって感じ。生え際がすごく気になります。
ギュンターってお金持ちなのね、お城持ってるなんて。
なんで売る気がないのかさっぱりわかんないんだけど。ドイツ人っぽくないし。(笑)
気になったのはマルガレーテの日記を読むシーン。
ギュンターが日記を読むとその隣で回想シーンがはじまるわけですが
回想シーンがはじまると、首そっちに向けてしまうのね。
日記読んでるんじゃないのか、あんた!?
回想シーン観て驚いた顔されてもなんか変な感じ。
日記に視線をやりながらも回想シーンの出来事と合わせて驚いたりとかってできないもんなんでしょうか?
すっごく気になりました。

小フランツ、楢原さん。
今回の公演で唯一胸を締め付けられたのが二幕の回想シーン、死にかけたエーリヒをかついでやってくる楢原さん。
フランツー!! て感じ。
楢原フランツを見れただけでも今回はよしとするか。

小エーリヒ、深山さん。
初演は「おいおい、頭大丈夫か?」とか思いながら観ていたのですが
(だって4歳だか5歳だかにはやっぱり見えないからさ)
今回は気にならず。
ハッピファミでも思いましたが、いくつになっても少年いけてます!!

大フランツ(笑)、笠原さん。
個人的には初演よりはよかったような。初演、軽すぎたし。今回は少しは重みもあるというか。
でも一緒に死にたいほどマルガレーテが好きなようには見えないんだけど。

大エーリヒは及川さんと山本さんのW。
お二人とも、細すぎ。
どっちが違和感なかったかっていうと及川さんかな。
あーでもやっぱりたまおさん一番! の思いが拭えなかったんでどっちもピンとは来なかったですが。
山本さん、カッコイイ人ではあるんですが彼のエーリヒは何か違う。
あと髪型が気になってしかたなかったっす。

Wミヒャエルは及川さんと舟見君。
どっちもよかったです。
ほんと、舟見君成長したね~。
個人的には及川さんのミヒャエルはよかった!
死人としての自分への思い、自分が実はミヒャエルじゃなかったと知った後の動揺、
息子ではなかったと知ったギュンターに甘えられないそのおびえ。
常に台詞なきシーンでも演じ続けていたわけで、ミヒャエルのそんな動きを常に追ってしまいました。
舟見くんもやってたのかもしれないけどね。観てなかったというか。(笑)
でも脱がなくていいってば。絶対。

ヘルムート高根はというと、なんか変に澤さんのコピーだったな。
原作のヘルムートも怪しい人ですがああいう怪しさの印象はなかったんですね。
だからこそあのキュートな澤ヘルムートを観た瞬間にヘルムートがすごく美味しい役になったわけで
あの演出って澤さんに対してやったものじゃないかなーと思うわけです。
だから同じ演出を違う人にやっても意味ないんでは。
所詮高根さんは高根さんであって、澤さんのあの圧倒的な存在感とは別モノですよね。
高根さん用のヘルムートを演じればこうも下手なコピーの印象は拭えたんでしょうけど。
これは高根さんだけの問題じゃないよねー、ほんと。

モニカのWは石飛さんと藤原さん。
藤原さんはあんま変らない。ほんといつも同じ。
石飛さんはよかったー。女の怖さがわかるわー。ニヤリとする瞬間が素敵!

Wゲルトは鶴田さんと奥田くん。
まあ、どっちもよかったかな。
個人的には高根さんにおっかけられる鶴田さんってのがおかしかったけど。
でもまあ、スーパー高校生のがワルっぽくってよかったよね。

これだけはどうしても観たかったやまさきブリギッテ!
安心して観ていられるのは嬉しい。楽しかったわ。

以下は脇キャラですが・・・・

小林さんは天然ですよね。好きです。
天然じゃ負けちゃいない新星青木くん。気になります。やっぱ気になる。
船戸さん、うーんどうなんだろう。よくわかんない。印象がない。
小野さん、キレイだけど声ききとれないー。
姜さん、台詞なかったんでよかったです。(失礼なわたし)
主宰、出番少ないんだからせめて台詞はちゃんと言ってください。
青山さん、少々聞き取りにくいです。
ま、全体的に言ってほとんどみんな聞き取りにくいんですけどね。数人を除いては・・・みんな発声練習とかしてないだろうか。
  さん、なまりのせいでほとんど聞き取れない・・・(脳神経が翻訳を必要とするってどういうこと?)

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