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[hiroic's various Review & Daily Memo] Hiroicによる映画・ドラマ・本・芝居・四方山などに関するれびゅー
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原作/清水玲子
脚本・演出/倉田淳

ReviewWriteDate:2002/2/13
LastUpdate:2002/2/13

Cast:
笠原浩夫(ギル)/石飛幸治(リタ/看護婦)
山崎康一(ティルト(p)/ミラルダ(c))/山本芳樹(ティルト(c))/舟見和利(セツ(p))/林勇輔(セツ(c)/ミラルダ(p))/及川健(ジミー(p))/深山洋貴(ジミー(c))/曽世海児(ショナ(p)/サラ)/高根研一(ショナ(c))/岩崎大(アート)/姜暢雄(ベンジャミン)
野口光雄(パルツァ医師/会長/他/鶴田浩一(ブライアン/他)/小林浩司(ベス/メイド/他)/佐野考治(ホリー/アダムス/他)/前田倫良(守衛/所員/他)/船戸慎士(大柄な男/他)/青木隆敏(ノエラ/他)/奥田勉(宇宙飛行士)/小野健太郎(運転手/秘書/他)/寺岡哲(ウェイター/他)
藤原啓児(グラン・マ)/河内喜一朗(ペトレンコ/他)
2002/2/1~10 @アートスフィア

Date:
2002/2/9 14:00
2002/2/9 17:00

Note:
清水玲子原作漫画の舞台化。
Story:
1985年──地球。宇宙へと巣立っていた人魚族の子孫が産卵の為に集う場所。しかし、数百年を経て故郷へ戻ってきた彼らが目にしたものは激変した環境、そして美しい人魚伝説の裏に隠された惨劇の兆しであった。宇宙船離陸事故や原子力発電所爆発事故など、80年代に現実に起こった事件とリアルにリンクしながらダイナミックかつスリリングに展開されるファンタジー・ロマンの傑作(公演チラシより)




ヒトコトReview:

--------------------------------------------------------------------------------
いつもの二次元ライフ
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清水玲子の『月の子』はわたしが高校時代にリアルタイムで『LaLa』で読んでいた漫画で、当時からとにかく大好きな作品。
そんな作品を、なんと、ライフで・・・。
今まで『トーマの心臓』演られようと『SONS』演られようと一向に気にならなかったのは、作品に対して思い入れがないから。
どうなっちゃうんだろう、なんてドキドキなかったし、『トーマ』なんかは漫画読んでも濃いイメージが残っていたわけではないので、ライフ色にちゃんと染まったイメージができていたという・・・。

しかし、今上のあらすじをチラシ見ながら打ってたんですが、もう、大嘘、ですね。
上のあらすじはあくまで原作のあらすじであって、本公演とは何ら関係ありません。(笑)


■アートスフィアの舞台がああっ・・・

まずはお叱りから。
マチネ、わたしはセンターブロックでした。
わーい、結構見やすそうだぞー! と喜んでいたがしかし、
センターはほっとんど使用されなかった。

芝居のほとんどが、上手下手の約四畳半ぐらいのスペースでちまちまと繰り広げられる。
上手の次は下手、下手の次は上手、下手、上手・・・エンドレス。
観客は首を、右左右左と動かし続ける、で、素通りするセンター!
あのさあ、せっかくアートスフィアなんだよ?
なんでこんな広い空間をシアターサンモールのような使い方するの?
この空間をあの無駄な巨大魚の浮遊のためだけに使用するのって、どうなの?
ワイヤーアクション(いや、アクションじゃないな)したいだけ??

客席の多さだけの話なら、サンモール3週間借りて上演してください。
どうしてもあのなんちゃらフェスティバルに参加したいんだったら、アートスフィアの舞台が泣いてしまわないよう、空間を生かして、舞台を作ってください。
センターブロックの人々は、わたしと同じような切なさを覚えたに違いないのです。
あんまりです、センターなのに涙出てきます。
自分の目の前、つねにすかすかだなんて──。

清水玲子の作品のすごさっていうのは、ファンからしてみると、あの、イメージ立体化術というか──平面の漫画なんだけど三次元にすら感じられるイメージ、ていうのがあると思うんだけど、ライフの作る舞台だと、三次元の人間のはずが、なんか、二次元なんだよね──平べったい。
トーマなんかの、漫画をめくるような面白さっていうのは、今回ないし、あれはトーマならではの舞台空間かな~と思うんだけど。
ちまい、すかすか、平べったい。
これが今回の舞台空間の印象。近くに迫ってくるものが、ない。
前日、大竹しのぶ一人芝居『売り言葉』見ちゃったのもあるんだけど。
狭い空間ではありましたが、一人で縦横無尽。ちょっとしたモノの配置、破壊、変形であらゆるものを表現しちゃう野田演出と比べちゃあ、いかんのだけど。
タイプも違うし。ライフってひたすら写実的。


■メロドラマなライフ

対して、毎回うまいな~と思うのが、『泣かせ』のシーン。
他がどんなに破綻してても、必ずメロドラマ的泣かせシーンは、押さえているのが倉田演出。
今回はやはりショナ&セツのシーンでしょうか。
原作でもこのカップル、大好きなんで。
そしてまた林さんの上手いこと!

ラスト近くにああも大盛り上がりで情感たっぷりに『泣かせ』が入って、泣きの感情にさせられると(いや、わたしは泣きませんが)、それだけでいい芝居だったような錯覚すら覚えるんだからマカ不思議。

まあ、破綻した芝居でもおもしろけりゃいいじゃん、という観客のわたしなので、一つでもちゃんと観客に何か残るなら、必ずしも駄作ではないのだよな、とも思う。
今回は『ドラキュラ』とかみたいな致命的な構成ミスはなかったように思われるので、別に駄作では全然ないのだけど、まあ敢えて言うなら凡作みたいなところはあって(下手すると、うまくまとめただけ、になり得る)、それが感情に残る何かになるかどうかは、やっぱこれら『泣かせ』にかかっている──という気がする。
特に、ライフに関しては。

しかし、個人的にギルの断末魔シーンは長すぎると思うが。
原作読み返したらたしかにあの分量あったけどね。
でもほら、3時間と13巻は必ずしも同じ入れ物サイズじゃないので。


■3者のバランス

で、どうして分量が多く感じてしまったかというと、ティルト&ギルをメインに描くといいながらも、『泣かせ』シーンのためか、観客のハートは主にショナ&セツチームに奪われているから。
そういう風に、作っちゃっているというか。

『月の子』という話は人間の線で分けると、3つに分かれます。
ジミー&アート、セツ&ショナ、ティルト(ギル)×リタの3組。
今回は最初からティルト(つーか、ギル)をメインに描く、と言い切っています。
だからまあ、最初からティルトメインだし、ジミー&アートの描き方は本当にお粗末で、もう思い入れたっぷりにティルトとギルを描きます。

が、なんか途中からセツ&ショナにリキ入った演出・脚本に変ってくる。
多くの人の感想が「セツがよかった」「ショナかっこいい」だったりするのは、そのためだと思われます。
単に演出家がやっているウチにこっちのが気に入ったからかも・・・。
しかしラストにティルトが宙づりで締めるぐらいだから、やっぱティルト&ギルメインだったんだろうし・・・うーん。
なんか、やっぱ変なんだよなあ、分量が。印象を与える度合いが。

3組中2組を変にひいきするから、ジミー&アートなんてかすんじゃってるし、アートが自分を刺すほどに悩むなんてちっとも思えないし、全部唐突だし、一応話の根幹はジミー&アートなわけで、ここに関して手を抜きすぎるとやっぱり物語として変になってしまう。
ティルト&ギルにしたかったんだったら、最後までちゃんと筋通しておくれ。
したら3組中、1組のクローズアップってことで納得いくから。
単にジミー&アートを切って捨てたアンバランスさを感じさせるっていう結果にはならんと思うから。
このあたり、思い入れと構成のバランスが、毎度崩れがちだと思われる演出家。
自分が気に入っていない? キャラクターを道具みたいに使うからだと思うけど。

個人的には、もう最初からセツ&ショナで作っちゃえばいいじゃん、とか思いますが。
しかしやはり笠原さんに花を持たせないといけないから???


■残る疑問・・・

チェルノブイリの事故は起ったのか、起らなかったのか?
あの舞台じゃさっぱりです。すごく深読みしないとわかりません。なんとかしてください。

どうしてジミーはギルがティルトだってわかったの?
あんまりです。あと1シーン入れるだけでいいんだからフォローしてやってください。

お金に困ったと言っていないセツのベッド(つーか、椅子)にお金が・・・ショナが置いていったのか? てのは無理では・・・。
原作ではもう1クッションあるところなので、ちょっと工夫してほしい。
普通いきなり会った人の後にお金あったら、忘れ物だと思いませんか?
プレゼントされたと思うのはいかがなものか?(笑)


■全体に関する感想

わたしの今回のお芝居に関する感想は──端的に言うと「よくまとめましたね、いいシーンもありましたね、でもそれだけかも」といった感じ。
古くからの原作ファンなので、なんとも・・・。

原作のもつ匂いにはほど遠いし、でもまあ同じじゃなくてもいいんだけど、昼メロっぽかったといえば昼メロっぽかった。しかしまあライフらしくもあった。
ひどい破綻が見えるわけでもないし。でもハマルには、ちょっと遠いなあ。

すでに心情的にはライファーでもないし、敢えて言うならやっぱライフウォッチャー(お言葉お借りします、金星さま)に成り下がっているので、ライフ的な部分にもいまいち惹かれない。
悪くないんだけど、なんだろう。夢中で見るほどのパワーが、湧かない。
これは単にわたしのライフ離れなのかもしれんね~。
しかし役者は個別認識できているので、「ああ、今回はこうだな」という見方もできるから、見ている間中退屈したりはしない。この辺りが、ハンパなんだな。
客観的な判断ができにくいところ。
えんぺ一行あたりの感想がどっちにも寄っていないで客観的なんでしょう。

わたしの場合、ちゃんとやるんだ! て怒るような気力もなければ、素敵~とドリーム入るわけでもない。見てよかったという感慨があるわけでもないし。多分ダブルキャストじゃなかったら1回で十分でした。

ものの見方は人それぞれなので、この芝居でライフはまる原作ファンもいるでしょう。
こうやってライフは、萩尾ファンの階層、三原ファンの階層、清水ファンの階層──と地層が(笑)分かれ、降り積もってゆくのでしょう。
これに、特撮ファンがさらに増えるのか・・・(笑)。


■各キャストについて

扱いがお粗末で可哀想だったアート(本当は主役級)、岩崎大。
アートって22歳だったのね、とちょっとショック。昔はお兄さんのつもりで読んでたのに・・・。
今回、結構よかったと思う。やっぱ、普通の男の子役のがいいよね、岩崎君は。
ちょっとハシャギ過ぎな感はありましたが、ま、よかったと思う。
わたしが岩崎君苦手なのって、多分岩崎君の女役、なんだと気付きました。
思い返せば、『桜の園』から苦手だった。
無理に女やろうとすると変だったし、ボロも多かったので。
でもまあ、女役なんてライフぐらいのことだし、外の世界に出れば(笑)女役が上手くなくても十分生きて行けるさ。

こちらもぞんざいな扱いだったと思う、ジミー役の二人、及川さん深山くん。
特に普段と変らず。
ポスターにアップで写っている及川さん、肌荒れが・・・。
そろそろ少年役も厳しくなっているんだろうか、とか思いました。演じて手も声がな~、もう少年たりえないところもあると思うんだけど。
しかしまあ、今回はまるでアートとの交流が描かれなかったので、なんかよくわからないキャラになってしまってちょっと可哀想だった。
最近、少年キャラ、少女キャラを二人でダブルで演じるのがあまりに定番になりすぎて、少々つまらない。

ショナ役は曽世さんと高根さん。
ま、正直どっちも原作のショナとは全然違う。(笑)
ショナは間違っても革パンなんて履かないしね。
完璧に別物として見ていました。
こちらも、特にいつもと違いがないな~と思った。
確かに高根さんは昔から比べたら上手くなったよね。でも好みじゃないんだな、わたしは。(笑)
しかしなあ、あからさまにそのシーンだけ端からベッドが出てきて・・・ていいうのは、なんつーか、恥ずかしかった。

セツ役、林さんは実は初見。
声、キレイ~。演技うまい~。
女性化した自分をベンジャミンと間違えるショナに対して、ごめんなさい、というところなんて絶品。かわいい~。
しかしどうだろう。あと2点だけ御願いをしてよろしいでしょうか?
その1:前髪伸ばしてください。おでこが光るのが気になって仕方ありませんでした。
その2:ドーランでもなんでもいいので、もう少し不健康そうな、白い肌にしてください。あまりに健康的なお肌、地グロなのかもしれんが・・・病弱に見えないんです。
金髪のカツラをつけると金髪のが白く見えるので顔がなお黒く見えます。お化粧でなんとかなる話なんで、ちょっと工夫していただくわけにはいかないでしょうか?
この2点がクリアできれば(個人的には)完璧です。
大阪の観客を大満足させるためにも、ビジュアル改造、御願いします。なんか、もったいないんだよ。
本当に女じゃないんだから女になりきる必要はないんだけど
演劇って目で見るものだから、演技だけじゃなくてフォローできるわけだし。

対して舟見くんは評判悪かったようですが──まあ、ダブルが林さんだから特に言われちゃったのではないでしょうか? 確かに少々荷が重い役でしたが、それなりに頑張ってはいたと思います。わたしは弟のようで彼を見捨てられないのだ。(笑)

ティルトはやまさきさんと、山本さん。
芳樹さん、今回の衣装は頭大きく見えなかったのでよかった。
彼はこういう暗い役のが似合うね。根暗そうな役。
やまさきさんは、もう何やらせても心配なし。他の役者さんとはやっぱ一段レベルが違うんでしょう。
でも3つ子という意味では少々ビジュアルバランスが悪かったかも。
深山・林・山本のが3つ子っぽかった。

ギル役、プリンス笠原。
笠原さんって、何演じても同じだよね。何演じても笠原浩夫だよね。
視線、口調、立ち位置、走り方──全部。
宝塚のトップスターみたいなイメージ。(わたしは宝塚に明るくないので、あくまで、イメージ)
悪くはない、上手い、技巧的、だが、ちょっと飽きたかな。(笑)

対して毎回ちゃんと違う役になって登場、石飛さん演じるリタ。
見た目のせいもあるんだけど(笑)リタ、はまっていました。
やまさきさんと石飛さんって、何やらせてもちゃんとその役になるし、レベル違うなあ。
石飛さんってライフ外だとどうなんだろう?
是非外部出演してもっと広い場所へも行ってみてもらいたいものです。
ライフだけに埋もれるには、惜しい。しかしキューブ側のプッシュがないと外部出演できんのだろうか? そういう意味ではキューブには気に入られていないような気もする。

おめでとう、テレビデビュー予定のベンジャミン姜くん。
あーもう、あれにOKを出した演出家の問題かもしれん。
ダミ声でしゃべる設定のベンジャミンの演技は、見てるこっちがハラハラするような演技でした。
スタイルもいいし顔もいいし、さっさと自分に適した分野に行った方がいいでしょう。
多分テレビとかだったら、他のライフの役者なんかより数倍合っているし、売れる可能性を秘めていると思う。もう、無理せんでいいよ。
彼の衣装は気になった。一番気になったのがピンクのスニーカー。誰が決めたか知らないが、コーディネート悪すぎよ。

その他・・・みんなチョイ役だったのであんま覚えていない。
しかしまあ、ジュニ3とかでまだチョイ役ばっかりで、それでもライフにすがり続ける意味があるのだろうか? 他に商売やってて片手間な趣味ならわかるけど。
人生とは、仕事とは、夢とは──ヒトゴトながら勝手に心配してしまうわたしである。
あ、佐野さんはすっかり女役上手くなったよね。今回は珍しく声が潰れていなかった。
そうそう、藤原さんを忘れていました。もう、いい加減ああいう役はお腹いっぱいです。

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