作・演出/野田秀樹
ReviewWriteDate:2001/7/6
LastUpdate:2001/7/8
Cast:
堤真一(耳男)/古田新太(マナコ)/入江雅人(オオアマ)
深津絵里(夜長姫)/京野ことみ(早寝姫)/野田秀樹(ヒダの王)
大倉孝二(エンマ)/犬山犬子(ハンニャ)/荒川良々(赤名人)/平沢智(青名人)
東地宏樹(耳鬼)/朱門みず穂(アナマロ)/川端良香(マネマロ)/朝川真帆(モロマロ)/住吉世メ子(ホレマロ)/石村実伽(エナコ)/福寿直子(エナコ)/石井圭太(カメタ)/宮川大輔(カタメ)/金子あい(ビッコ)/蟹江一平(ブッコ)/黒沢あすか(ボッコ)/松下哲(クニの人)/宮下今日子(クニの人)
2001/6/1~2001/6/30 @新国立劇場中劇場
Date:
2001/6/20 19:00 20-14
Story:
ヒダの匠の弟子・耳男は、師匠を殺害してしまうが、その直後にヒダの王家に匠と間違えられ連れ去られてしまう。そこにはやはり名人の匠を殺害し、匠と間違えられて連れてこられた山賊のマナコと、その素性を黙して語らないオオアマと名乗る名人も集められている。この3人にヒダの王が命じたのは3年の後に王家の姫の夜長姫と早寝姫の身を護るミホトケの仏像を彫ることであった。それぞれの部屋で仕事を始める3人だが、一向に進む様子はない。やがて約束の3年。姫の16の正月が来る・・・・・・
ヒトコトReview:
--------------------------------------------------------------------------------
降りそそぐ桜の世界を「やや」傍観
--------------------------------------------------------------------------------
仕事しながら周囲の目を盗んで勤しんだチケット取り。
結局S席最後列、一番はしっこというどうせならA席前のがいいんじゃない? という席にて観劇してまいりました。
■桜と世界観
しょっぱなから、余談です。
好きな花はと聞かれれば桜と答える日本人は多いと思うのですが
わたしもそのうちの1人。
そして桜ときいて思い出すのは、何故か数々の美術の提出作品。(笑)
何故か空想画という時に必ず桜を描いてしまうのです。
それも異次元空間に浮かぶ桜だったり、洪水で水中に沈んだ都市の上に浮かぶ桜だったり(そして自分だけがその木の上で助かっている 笑)、とにかく地についた桜じゃないんです。
素材は七宝焼きだったり油絵だったり様々なのですが・・・・・・。
わたしの中での桜のイメージは、日常から乖離した異質なもの、なわけです。
桜の下には死体が云々というイメージも、紀友則の「久方の~」の歌がふと脳裏を過ぎったりするのも、桜と聞けば花見とお酒! だったりする感情も、日本人と桜との関係というのは実に興味深い。
多くの日本人の頭の中では、安吾を読んでいなくても、『桜の森の満開の下』と聞くと瞬時に頭の中で異質な世界観が芽生えるのではないでしょうか。
そういった無意識の世界観に支えられているわけです──『贋作 桜の森の満開の下』は。
無条件で多量のイメージが味方になってるくれるんだから、題材としては勝ち組だよなあって思ったりして。
同じように満開の桜、散り続ける桜を見たとき、ワシントンDCを歩くアメリカ人が同じ感傷にひたるとは思えませんしね。
■そして野田桜の世界
で、本編。
相変わらずいつものように言葉と世界と人間がいいたりきたりする、ややこしさ。
こういうの好きなんだけど、毎回頭がついてゆかないの、わたし頭悪いのかしら。
古代の王国あり、謀反あり、国づくりあり、大仏開眼あり、そんな中もちろん昼と夜があって、生者あり死者あり、それを人間と呼んでみたり鬼と呼んでみたり、ごった煮の中にやっぱり夜長姫と耳男がいて。
色んな方向に奥行きがあって、あっちに走りこっちに走りして見ているこっちがぜえぜえ言っちゃう。
いや、そこが好きなんですけどね。
最近物忘れ? が激しいので大海皇子と大友皇子がどっちがどっちか一瞬わかんなかった。恥ずかしい。
本棚見てみたら『桜の森の満開の下』の中に『夜長姫と耳男』も収録してあったんでかつて読んだことはあるんだろうけどさっぱり覚えていなかったわたしには、安吾の世界というよりも野田秀樹の世界でした。
(久しぶりに本を読み直すと印象変るかもしれないですが・・・・・・)
パンドラ~もこの延長線上にある気がするですよね。
そして一番イメージがわくのが梅原猛の世界でした。
出雲に関する記述だったり(『「神々の流竄」』)、聖徳太子の怨念を封じた法隆寺だったり(『隠された十字架』)、あのイメージが根強かったです。
■そして舞台そのものは
なんというか、遠かった──。
座席が、なのか中身なのか・・・・・・。
今までNODAMAPの公演ってよい座席だったので、こんな後ろで端っこだったのは初めてでして
だからこう感じるのかな~?
『死の泉(再演)』で言ったことと同じことを言わなきゃいけないのが切ないんだけど、アンサンブルたち、声届かないよ。
何言ってるか聞き取れないんだもん。
メインキャストじゃないんで「誰が」とは言えないんですが、全般的にみんな声が小さい。はっきりしゃべって~。
あげく席が端っこだから舞台の奥まで見られないんだよね。
奥行きがあるのはわかるが、見えなきゃ話にならないっつーねん。
なんだかお芝居は面白いが遠いところでやっている感じで、キャスト個々の問題もあってあんまり鬼気迫る感じもなかったし、最後の桜のシーンまで感情がどーんと動くことがない。
これはちょっと淋しい。
お話自体はすごく好きなのに、ちょっと遠めで眺めてしまうような感じで、正直残念です。。。
■各キャストについて
やはり深津姫、もとい、夜長姫。
初演も再演も見ていないのでなんとも言えないですが、狂気みたいなものは感じなかった。
深津姫かわいーし、演技も下手なわけじゃないんだけど、夜長姫としては怖くないというか。
耳男が惹かれる理由もあんまり感じないし。
夜──のイメージがあんまりなかったんですね。それは京野ことみ演じる早寝姫との対比があまりないままにあっさり早寝姫が死んでしまうからでもあるんですが。
ラストは確かにすごいんだけど、急にすごくなる感じでちょっと違和感。
毬谷姫はどうだったんでしょう?
ちなみに深津姫とことみ姫の衣装は中国風なんですが、ことみ姫の衣装の方が好きです。超かわいいです。
でもああいう衣装は上半身が華奢じゃないとカッコ悪いので間違っても着てみたいとは言いませぬ。
堤真一の耳男は、結構好印象。
(いや、深津姫も好きですよ。文句なしにかわいいから)
パンドラ~ではわたしの中の勝村さんのイメージに負けちゃってたんであんまり印象よくなかったんですが。
女優には手を出さない主義?
あいかわらず好き放題な古田新太氏。
やっぱ好きだわ~。
でもま、いつも同じイメージではあるんだけど。
入江雅人さん、よかった! というか個人的に好き。
結構台詞聞きづらいところがあったのが悲しいですが、キャラが好き。声も好きかも。
単なる趣味の問題ですが。
犬山犬子、彼女もヒット! 存在そのものがかわいい。キュートです。
ReviewWriteDate:2001/7/6
LastUpdate:2001/7/8
Cast:
堤真一(耳男)/古田新太(マナコ)/入江雅人(オオアマ)
深津絵里(夜長姫)/京野ことみ(早寝姫)/野田秀樹(ヒダの王)
大倉孝二(エンマ)/犬山犬子(ハンニャ)/荒川良々(赤名人)/平沢智(青名人)
東地宏樹(耳鬼)/朱門みず穂(アナマロ)/川端良香(マネマロ)/朝川真帆(モロマロ)/住吉世メ子(ホレマロ)/石村実伽(エナコ)/福寿直子(エナコ)/石井圭太(カメタ)/宮川大輔(カタメ)/金子あい(ビッコ)/蟹江一平(ブッコ)/黒沢あすか(ボッコ)/松下哲(クニの人)/宮下今日子(クニの人)
2001/6/1~2001/6/30 @新国立劇場中劇場
Date:
2001/6/20 19:00 20-14
Story:
ヒダの匠の弟子・耳男は、師匠を殺害してしまうが、その直後にヒダの王家に匠と間違えられ連れ去られてしまう。そこにはやはり名人の匠を殺害し、匠と間違えられて連れてこられた山賊のマナコと、その素性を黙して語らないオオアマと名乗る名人も集められている。この3人にヒダの王が命じたのは3年の後に王家の姫の夜長姫と早寝姫の身を護るミホトケの仏像を彫ることであった。それぞれの部屋で仕事を始める3人だが、一向に進む様子はない。やがて約束の3年。姫の16の正月が来る・・・・・・
ヒトコトReview:
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降りそそぐ桜の世界を「やや」傍観
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仕事しながら周囲の目を盗んで勤しんだチケット取り。
結局S席最後列、一番はしっこというどうせならA席前のがいいんじゃない? という席にて観劇してまいりました。
■桜と世界観
しょっぱなから、余談です。
好きな花はと聞かれれば桜と答える日本人は多いと思うのですが
わたしもそのうちの1人。
そして桜ときいて思い出すのは、何故か数々の美術の提出作品。(笑)
何故か空想画という時に必ず桜を描いてしまうのです。
それも異次元空間に浮かぶ桜だったり、洪水で水中に沈んだ都市の上に浮かぶ桜だったり(そして自分だけがその木の上で助かっている 笑)、とにかく地についた桜じゃないんです。
素材は七宝焼きだったり油絵だったり様々なのですが・・・・・・。
わたしの中での桜のイメージは、日常から乖離した異質なもの、なわけです。
桜の下には死体が云々というイメージも、紀友則の「久方の~」の歌がふと脳裏を過ぎったりするのも、桜と聞けば花見とお酒! だったりする感情も、日本人と桜との関係というのは実に興味深い。
多くの日本人の頭の中では、安吾を読んでいなくても、『桜の森の満開の下』と聞くと瞬時に頭の中で異質な世界観が芽生えるのではないでしょうか。
そういった無意識の世界観に支えられているわけです──『贋作 桜の森の満開の下』は。
無条件で多量のイメージが味方になってるくれるんだから、題材としては勝ち組だよなあって思ったりして。
同じように満開の桜、散り続ける桜を見たとき、ワシントンDCを歩くアメリカ人が同じ感傷にひたるとは思えませんしね。
■そして野田桜の世界
で、本編。
相変わらずいつものように言葉と世界と人間がいいたりきたりする、ややこしさ。
こういうの好きなんだけど、毎回頭がついてゆかないの、わたし頭悪いのかしら。
古代の王国あり、謀反あり、国づくりあり、大仏開眼あり、そんな中もちろん昼と夜があって、生者あり死者あり、それを人間と呼んでみたり鬼と呼んでみたり、ごった煮の中にやっぱり夜長姫と耳男がいて。
色んな方向に奥行きがあって、あっちに走りこっちに走りして見ているこっちがぜえぜえ言っちゃう。
いや、そこが好きなんですけどね。
最近物忘れ? が激しいので大海皇子と大友皇子がどっちがどっちか一瞬わかんなかった。恥ずかしい。
本棚見てみたら『桜の森の満開の下』の中に『夜長姫と耳男』も収録してあったんでかつて読んだことはあるんだろうけどさっぱり覚えていなかったわたしには、安吾の世界というよりも野田秀樹の世界でした。
(久しぶりに本を読み直すと印象変るかもしれないですが・・・・・・)
パンドラ~もこの延長線上にある気がするですよね。
そして一番イメージがわくのが梅原猛の世界でした。
出雲に関する記述だったり(『「神々の流竄」』)、聖徳太子の怨念を封じた法隆寺だったり(『隠された十字架』)、あのイメージが根強かったです。
■そして舞台そのものは
なんというか、遠かった──。
座席が、なのか中身なのか・・・・・・。
今までNODAMAPの公演ってよい座席だったので、こんな後ろで端っこだったのは初めてでして
だからこう感じるのかな~?
『死の泉(再演)』で言ったことと同じことを言わなきゃいけないのが切ないんだけど、アンサンブルたち、声届かないよ。
何言ってるか聞き取れないんだもん。
メインキャストじゃないんで「誰が」とは言えないんですが、全般的にみんな声が小さい。はっきりしゃべって~。
あげく席が端っこだから舞台の奥まで見られないんだよね。
奥行きがあるのはわかるが、見えなきゃ話にならないっつーねん。
なんだかお芝居は面白いが遠いところでやっている感じで、キャスト個々の問題もあってあんまり鬼気迫る感じもなかったし、最後の桜のシーンまで感情がどーんと動くことがない。
これはちょっと淋しい。
お話自体はすごく好きなのに、ちょっと遠めで眺めてしまうような感じで、正直残念です。。。
■各キャストについて
やはり深津姫、もとい、夜長姫。
初演も再演も見ていないのでなんとも言えないですが、狂気みたいなものは感じなかった。
深津姫かわいーし、演技も下手なわけじゃないんだけど、夜長姫としては怖くないというか。
耳男が惹かれる理由もあんまり感じないし。
夜──のイメージがあんまりなかったんですね。それは京野ことみ演じる早寝姫との対比があまりないままにあっさり早寝姫が死んでしまうからでもあるんですが。
ラストは確かにすごいんだけど、急にすごくなる感じでちょっと違和感。
毬谷姫はどうだったんでしょう?
ちなみに深津姫とことみ姫の衣装は中国風なんですが、ことみ姫の衣装の方が好きです。超かわいいです。
でもああいう衣装は上半身が華奢じゃないとカッコ悪いので間違っても着てみたいとは言いませぬ。
堤真一の耳男は、結構好印象。
(いや、深津姫も好きですよ。文句なしにかわいいから)
パンドラ~ではわたしの中の勝村さんのイメージに負けちゃってたんであんまり印象よくなかったんですが。
女優には手を出さない主義?
あいかわらず好き放題な古田新太氏。
やっぱ好きだわ~。
でもま、いつも同じイメージではあるんだけど。
入江雅人さん、よかった! というか個人的に好き。
結構台詞聞きづらいところがあったのが悲しいですが、キャラが好き。声も好きかも。
単なる趣味の問題ですが。
犬山犬子、彼女もヒット! 存在そのものがかわいい。キュートです。
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