作/ブラッド・フレイザー
演出/宮本亜門
ReviewWriteDate:2000/7/11
LastUpdate:2000/7/11
Cast:木村佳乃(キャンディ)/増沢望(デヴィッド)/橋本さとし(バーニー)/笠原浩夫(ロバート)/明星真由美(ジェリィ)/平宮博重(ケイン)/天野小夜子(ベニータ)
Tokyo 2000.7.1~16 @パルコ劇場
Osaka 2000.7.19~23 @シアター・ドラマシティ
Date:2000/7/9 13:00 Y13
Note:
93年に宮本亜門の演出で上演され、内容の過激さでセンセーショナルな話題を呼んだ作品を、新キャストで再演する。(シアターガイドより)
ただし96年に脚本が改訂になっている為今回の公演は改訂版の上演となる。
※ベニータ役の天野小夜子のみ初演と同じ。
Story
新刊本の書評を書く仕事をしているキャンディは、ウェイターの元恋人のデヴィッドと同居中。ゲイであることを告白した彼と親友として同居しているのだ。そんなデヴィッドは友人で妻帯者のバーニーへ想いを寄せているが、バーニーはゲイではない。キャンディは拒食症に悩みつつも、バーテンのロバート、同じジムに通うレズビアン・ジェリィに言い寄られ、つきあい出す。そんな中、エドモントンの街に連続婦女暴行事件が発生する──
ヒトコトReview:
--------------------------------------------------------------------------------
主役は木村キャンディじゃない!! 増沢デヴィッド&橋本バーニーこそが主役也!
--------------------------------------------------------------------------------
えんぺで酷評されていたので多少構えて観劇してしまいました。
感想としてはすんなりと「あれ、おもしろいじゃん」です。
ただよくよくその「おもしろい」を掘り下げて見ると確かにおかしいのかもしれません。
わたしがおもしろいと感じたポイントをかいつまんで言うと
・なんといっても増沢デヴィッド&橋本バーニー!!
・なんとなく感じさせられるどうしようもない閉塞感
てことなんです。
上記ヒット項目の解説はあとにまわすとして、先に?の部分から。
■悲しいかな、主人公キャンディに共感できない
どうしようもない女のイヤな部分を描いているわけだから、
同性であるわたしは自分を見ているようでもちろんイヤになるのは当たり前なのですが、
「ああわたしもこんなヤナ奴だよ。だからキャンディがそうしちゃうのわかるよ」
ていう思いは湧き起こりませんでした。(これを共感と呼ぶと思う)
「この子は理解できん。この子はおかしい!」
て思ってしまいました。
それが脚本と演出の狙いだったなら、ずばり引っかかっています。
でも多分、それは狙いじゃないですよね?
わたしの狭量な発想かもしれないけれど
「キャンディはこんなにデヴィッドが好きなのに報われない
(とパンフにあるからそうなんだろう。ちっともそんな感じはしなかったけど。甘い伏線はあるけどさ)。
だから拒食症にもなるし(これも頭の伏線のみだから忘れそう。ピザ食ってるぞ! て思いませんでした? まあパンフには拒食症が肩書なんでそうなんでしょう)
そんなに好きじゃない人とでも関係を持ちたいんだ。わかるよ、わかる!」
て共感させないといけないんだと思うのです、とりあえず女性の観客は。
もしかしたらわたしが模範的女性観客じゃないのでしょうか?
ただ、キャンディの描き方がちょっと全編通して甘かったような。
デヴィッド&バーニー(異端・異常)に対するキャンディ(普通)なのはわかるのですがなんとも中途ハンパに存在してしまっていました。
そもそも3人がキーの物語なのに、宣伝が木村佳乃中心だからダントツの主人公だと思って見に行くわけじゃないですか。
で、結局主人公にはなりえてなかったと思うので。
途中からうまく舞台がノって来たのでキャンディが生きてはきましたが
まあ元気なねーちゃんという意味でしかなかった。
木村嬢の演技は悪くはなかったです。
ただガツンと来るこないが役柄の問題なのか演技の問題なのかは
見当がつきませんので言及は避けます。
もし「ただただ普通のイヤなところをもった女の子」
という役を描きたかったのなら正解なのだと思います。伝わりにくいですが。
キャンディが伝わらないので
キャンディを介して伝わるべくデヴィッド&バーニーが突出してしまい
わたしの目はもうその2人だけにくぎ付けでした。
あと、バーニーの奇怪な行動の意味理由っていうのが
わかるようでわからない。
わかると感じる部分は橋本バーニーの力であって、
脚本を読んだだけだと首をひねっていたかもしれないです。
ただまあ、役者が存在してはじめて演劇だと思うのでそれでよいのかもしれませんが。
ところでキャンディの友達で自殺をしてしまった子って
キャンディにとって何だったんでしょうね?(まあ友達なのはわかりますが)
彼女の死にあれだけ反応を示しながら
その死によっては何の影響も受けていないようなキャンディ。
(叫ぶ・独白の部分はあからさまにわかりますが)
やっぱり曖昧模糊としたままです・・・
■休憩時間の入り方が切ない・・・
どうしても気になったこと。
おそらく会場の全員が思ったと思うのですが、休憩時間。
たしかに長いお芝居ではありましたが「どうしてここで!?」というシーンでした。
盛り上がりがそこで分断されてしまうのです。
で、盛り上がって叫んでいたキャストが
ちょっとは暗いが肉眼でばっちり見える舞台上を
てくてく消えてゆくのです。
あああああ、なんてことでしょう。
せめて完全な暗転にしてキャスト去らせてから休憩にしてほしかったです。
■増沢デヴィッド&橋本バーニー、素敵!!!
というか、わたし個人はもう橋本バーニーしか見ていなかった。
とにかく目を惹く圧倒的な存在感。
パルコ劇場って決して小さな箱ではないと思うのですが
めらめら気を感じました。
まあ席が近いからかもしれませんが。
ちょっとした所作等、目をひきます。
そのバーニーの相手役である増沢デヴィッドは
「滅茶苦茶やっててイヤなヤツ」をうまいこと伝えた上で
「でもとてもナイーヴ」と攻めてくるので、勝てっこありません。
ふたりが建物の上の方で語り合うシーン、絶妙です。
デヴィッドのバーニーへの思いは愛というか恋なんだけれども
バーニーのそれがはっきりわからないまでも
デヴィッドの存在が簡単なものでないことは痛いほど伝わります。
■どこまでも続く閉塞感
パンフにもあったのですが、初演の1993年より今の時代の方が閉塞感に満ちていると思います。
だからでしょうか? この
「どこにも出ていけない、どこにも出ていかない」
澱んだ空気が、否定するより先に根っこにひっかかって納得させられてしまう。
凶悪事件だったりセクシャリティの問題だったり色々とあるとは思いますが
それ以上にどうにかしたいという思いがあっても
その思いがパワーには結びつかなくてただ「そこにいる」ていう感じが
「今のわたし」には心地よかったです。
■各キャストへの感想
木村佳乃(キャンディ)
上記の通りです。でも身体ほそいね、きれいだねー。
わりに顔がおおきくて驚きました。
増沢望(デヴィッド)
わがままで切なくてナイーヴで放っておけない彼。
観客であるわたしもすっかり彼に翻弄されてしまいました。
ふーん、俳優座なんだ。
橋本さとし(バーニー)
元・新感線、だそうです。
今まで彼のことを知らなかったのが恥ずかしい。テレビも見ないしなあ。
わたしにとってのこの公演はイコール橋本さとしLOVE!です。
わきに立っているだけでも目をそらせませんでした。
笠原浩夫(ロバート)
スタジオライフ所属の花形。
今回はスタジオライフの笠原さん分優先予約でチケットを取りました。
女性とからんでいる笠原さん、はじめてみました。
やっぱり長身だと得ですね、舞台映えします。
初の外部出演でしたが、まあいつも通りナイーヴな彼でした。
明星真由美(ジェリィ)
NODAMAP農業少女出るんですね。
すっかりキャンディが食われていましたが、まあそういう役なのかもしれません。
平宮博重(ケイン) →のちの成宮寛貴である(笑)
この公演の為のオーディションで選ばれた彼。
いきなり変なことまでさせられてちょっと可哀想。役者って大変だね(笑)。
どこかピュアでまっすぐでよかったです。
めちゃめちゃ台詞噛んでましたけどねー。
天野小夜子(ベニータ)
ゴージャス、です。
演技は下手かなと思いましたが存在感があってよかった。
彼女は初演でもベニータを演じたそうです。
演出/宮本亜門
ReviewWriteDate:2000/7/11
LastUpdate:2000/7/11
Cast:木村佳乃(キャンディ)/増沢望(デヴィッド)/橋本さとし(バーニー)/笠原浩夫(ロバート)/明星真由美(ジェリィ)/平宮博重(ケイン)/天野小夜子(ベニータ)
Tokyo 2000.7.1~16 @パルコ劇場
Osaka 2000.7.19~23 @シアター・ドラマシティ
Date:2000/7/9 13:00 Y13
Note:
93年に宮本亜門の演出で上演され、内容の過激さでセンセーショナルな話題を呼んだ作品を、新キャストで再演する。(シアターガイドより)
ただし96年に脚本が改訂になっている為今回の公演は改訂版の上演となる。
※ベニータ役の天野小夜子のみ初演と同じ。
Story
新刊本の書評を書く仕事をしているキャンディは、ウェイターの元恋人のデヴィッドと同居中。ゲイであることを告白した彼と親友として同居しているのだ。そんなデヴィッドは友人で妻帯者のバーニーへ想いを寄せているが、バーニーはゲイではない。キャンディは拒食症に悩みつつも、バーテンのロバート、同じジムに通うレズビアン・ジェリィに言い寄られ、つきあい出す。そんな中、エドモントンの街に連続婦女暴行事件が発生する──
ヒトコトReview:
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主役は木村キャンディじゃない!! 増沢デヴィッド&橋本バーニーこそが主役也!
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えんぺで酷評されていたので多少構えて観劇してしまいました。
感想としてはすんなりと「あれ、おもしろいじゃん」です。
ただよくよくその「おもしろい」を掘り下げて見ると確かにおかしいのかもしれません。
わたしがおもしろいと感じたポイントをかいつまんで言うと
・なんといっても増沢デヴィッド&橋本バーニー!!
・なんとなく感じさせられるどうしようもない閉塞感
てことなんです。
上記ヒット項目の解説はあとにまわすとして、先に?の部分から。
■悲しいかな、主人公キャンディに共感できない
どうしようもない女のイヤな部分を描いているわけだから、
同性であるわたしは自分を見ているようでもちろんイヤになるのは当たり前なのですが、
「ああわたしもこんなヤナ奴だよ。だからキャンディがそうしちゃうのわかるよ」
ていう思いは湧き起こりませんでした。(これを共感と呼ぶと思う)
「この子は理解できん。この子はおかしい!」
て思ってしまいました。
それが脚本と演出の狙いだったなら、ずばり引っかかっています。
でも多分、それは狙いじゃないですよね?
わたしの狭量な発想かもしれないけれど
「キャンディはこんなにデヴィッドが好きなのに報われない
(とパンフにあるからそうなんだろう。ちっともそんな感じはしなかったけど。甘い伏線はあるけどさ)。
だから拒食症にもなるし(これも頭の伏線のみだから忘れそう。ピザ食ってるぞ! て思いませんでした? まあパンフには拒食症が肩書なんでそうなんでしょう)
そんなに好きじゃない人とでも関係を持ちたいんだ。わかるよ、わかる!」
て共感させないといけないんだと思うのです、とりあえず女性の観客は。
もしかしたらわたしが模範的女性観客じゃないのでしょうか?
ただ、キャンディの描き方がちょっと全編通して甘かったような。
デヴィッド&バーニー(異端・異常)に対するキャンディ(普通)なのはわかるのですがなんとも中途ハンパに存在してしまっていました。
そもそも3人がキーの物語なのに、宣伝が木村佳乃中心だからダントツの主人公だと思って見に行くわけじゃないですか。
で、結局主人公にはなりえてなかったと思うので。
途中からうまく舞台がノって来たのでキャンディが生きてはきましたが
まあ元気なねーちゃんという意味でしかなかった。
木村嬢の演技は悪くはなかったです。
ただガツンと来るこないが役柄の問題なのか演技の問題なのかは
見当がつきませんので言及は避けます。
もし「ただただ普通のイヤなところをもった女の子」
という役を描きたかったのなら正解なのだと思います。伝わりにくいですが。
キャンディが伝わらないので
キャンディを介して伝わるべくデヴィッド&バーニーが突出してしまい
わたしの目はもうその2人だけにくぎ付けでした。
あと、バーニーの奇怪な行動の意味理由っていうのが
わかるようでわからない。
わかると感じる部分は橋本バーニーの力であって、
脚本を読んだだけだと首をひねっていたかもしれないです。
ただまあ、役者が存在してはじめて演劇だと思うのでそれでよいのかもしれませんが。
ところでキャンディの友達で自殺をしてしまった子って
キャンディにとって何だったんでしょうね?(まあ友達なのはわかりますが)
彼女の死にあれだけ反応を示しながら
その死によっては何の影響も受けていないようなキャンディ。
(叫ぶ・独白の部分はあからさまにわかりますが)
やっぱり曖昧模糊としたままです・・・
■休憩時間の入り方が切ない・・・
どうしても気になったこと。
おそらく会場の全員が思ったと思うのですが、休憩時間。
たしかに長いお芝居ではありましたが「どうしてここで!?」というシーンでした。
盛り上がりがそこで分断されてしまうのです。
で、盛り上がって叫んでいたキャストが
ちょっとは暗いが肉眼でばっちり見える舞台上を
てくてく消えてゆくのです。
あああああ、なんてことでしょう。
せめて完全な暗転にしてキャスト去らせてから休憩にしてほしかったです。
■増沢デヴィッド&橋本バーニー、素敵!!!
というか、わたし個人はもう橋本バーニーしか見ていなかった。
とにかく目を惹く圧倒的な存在感。
パルコ劇場って決して小さな箱ではないと思うのですが
めらめら気を感じました。
まあ席が近いからかもしれませんが。
ちょっとした所作等、目をひきます。
そのバーニーの相手役である増沢デヴィッドは
「滅茶苦茶やっててイヤなヤツ」をうまいこと伝えた上で
「でもとてもナイーヴ」と攻めてくるので、勝てっこありません。
ふたりが建物の上の方で語り合うシーン、絶妙です。
デヴィッドのバーニーへの思いは愛というか恋なんだけれども
バーニーのそれがはっきりわからないまでも
デヴィッドの存在が簡単なものでないことは痛いほど伝わります。
■どこまでも続く閉塞感
パンフにもあったのですが、初演の1993年より今の時代の方が閉塞感に満ちていると思います。
だからでしょうか? この
「どこにも出ていけない、どこにも出ていかない」
澱んだ空気が、否定するより先に根っこにひっかかって納得させられてしまう。
凶悪事件だったりセクシャリティの問題だったり色々とあるとは思いますが
それ以上にどうにかしたいという思いがあっても
その思いがパワーには結びつかなくてただ「そこにいる」ていう感じが
「今のわたし」には心地よかったです。
■各キャストへの感想
木村佳乃(キャンディ)
上記の通りです。でも身体ほそいね、きれいだねー。
わりに顔がおおきくて驚きました。
増沢望(デヴィッド)
わがままで切なくてナイーヴで放っておけない彼。
観客であるわたしもすっかり彼に翻弄されてしまいました。
ふーん、俳優座なんだ。
橋本さとし(バーニー)
元・新感線、だそうです。
今まで彼のことを知らなかったのが恥ずかしい。テレビも見ないしなあ。
わたしにとってのこの公演はイコール橋本さとしLOVE!です。
わきに立っているだけでも目をそらせませんでした。
笠原浩夫(ロバート)
スタジオライフ所属の花形。
今回はスタジオライフの笠原さん分優先予約でチケットを取りました。
女性とからんでいる笠原さん、はじめてみました。
やっぱり長身だと得ですね、舞台映えします。
初の外部出演でしたが、まあいつも通りナイーヴな彼でした。
明星真由美(ジェリィ)
NODAMAP農業少女出るんですね。
すっかりキャンディが食われていましたが、まあそういう役なのかもしれません。
平宮博重(ケイン) →のちの成宮寛貴である(笑)
この公演の為のオーディションで選ばれた彼。
いきなり変なことまでさせられてちょっと可哀想。役者って大変だね(笑)。
どこかピュアでまっすぐでよかったです。
めちゃめちゃ台詞噛んでましたけどねー。
天野小夜子(ベニータ)
ゴージャス、です。
演技は下手かなと思いましたが存在感があってよかった。
彼女は初演でもベニータを演じたそうです。
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