『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』を見てまいりました。
多くの説明は必要はない、とりあえずハンカチ持ってくべし!
ヒトラー政権下で反政府活動の地下組織白バラに参加していた紅一点ゾフィーが己の信念のもとに、あと少しだけ間に合わなかったドイツ解放の前に命を失う──というお話で、多分大泣きするだろうと思って行ったんだけど、やはり。
作りに甘さだとかつけ入る隙があるような話だと、ワタシは容赦なく改善点を書きたてるレビュアーなんだけど、この映画は実にデキもよくて、数々の賞を獲ったというのも納得。
実話ということもあるのだけど、人間がしっかり描かれている。主人公ゾフィーもそうなんだけど、ヒトラー政権を支持しながらもゾフィーによって揺さぶられる(そしてそれを否定する)モーア尋問官、同じ政治犯としてゾフィーの見張り役としてつく囚人の女、同じ信念のもと闘う兄や、死を前にして涙ぐむ仲間、反軍国主義の話ではあるのだけれどしっかりとした心理劇たりえるお話でした。
役者陣もできがよく、役柄にぴたっとはまっていて実力派なんでしょう。
しかしまあ、何と言うか久しぶりにあんなに泣いたよ映画館で。(笑)
真実の力ってやつなのかな。
1943年といえばあとわずか、もう少しだけ待てばすべてが終わる年。
「今度ここにいるのはあなたの方だ」と裁判官に向かって言い放つゾフィーの言葉は歴史の後ろ側から見れば正しいのだけれど、その時その時だとどこまでが真実になるかなんてわからないわけで、あと少し待てばっていうのも同じくで、歴史というのは難しい。
はじまりの日の太陽の光と、最期の日の光が実にまぶしく印象的でした。
大学にビラを巻いて捕まる──という話は大学時代とっても身近だったビラを思い出させてくれました。そうそう、教室に入ると配りにくる人がいたり席にあらかじめ配ってあったりね。あの活動にナンか成果はあったのであろうか……? 見る限り皆無だが。
あれもまぁ反体制っていば反体制なのか。左も左で過激派まではいかないチームだったとは思うけど。
ああいうことが自由にできるっての、平和ってことですね。
多くの説明は必要はない、とりあえずハンカチ持ってくべし!
ヒトラー政権下で反政府活動の地下組織白バラに参加していた紅一点ゾフィーが己の信念のもとに、あと少しだけ間に合わなかったドイツ解放の前に命を失う──というお話で、多分大泣きするだろうと思って行ったんだけど、やはり。
作りに甘さだとかつけ入る隙があるような話だと、ワタシは容赦なく改善点を書きたてるレビュアーなんだけど、この映画は実にデキもよくて、数々の賞を獲ったというのも納得。
実話ということもあるのだけど、人間がしっかり描かれている。主人公ゾフィーもそうなんだけど、ヒトラー政権を支持しながらもゾフィーによって揺さぶられる(そしてそれを否定する)モーア尋問官、同じ政治犯としてゾフィーの見張り役としてつく囚人の女、同じ信念のもと闘う兄や、死を前にして涙ぐむ仲間、反軍国主義の話ではあるのだけれどしっかりとした心理劇たりえるお話でした。
役者陣もできがよく、役柄にぴたっとはまっていて実力派なんでしょう。
しかしまあ、何と言うか久しぶりにあんなに泣いたよ映画館で。(笑)
真実の力ってやつなのかな。
1943年といえばあとわずか、もう少しだけ待てばすべてが終わる年。
「今度ここにいるのはあなたの方だ」と裁判官に向かって言い放つゾフィーの言葉は歴史の後ろ側から見れば正しいのだけれど、その時その時だとどこまでが真実になるかなんてわからないわけで、あと少し待てばっていうのも同じくで、歴史というのは難しい。
はじまりの日の太陽の光と、最期の日の光が実にまぶしく印象的でした。
大学にビラを巻いて捕まる──という話は大学時代とっても身近だったビラを思い出させてくれました。そうそう、教室に入ると配りにくる人がいたり席にあらかじめ配ってあったりね。あの活動にナンか成果はあったのであろうか……? 見る限り皆無だが。
あれもまぁ反体制っていば反体制なのか。左も左で過激派まではいかないチームだったとは思うけど。
ああいうことが自由にできるっての、平和ってことですね。
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無題
自分が見た中でもベストかも。あ、いやある意味ジョージ・マイケルもベストなんですが。(笑)<br />
レンタルでもいいので、是非みてください。できれば誰かと話したりせず、じっくり世界に入りながら見て欲しいです。
レンタルでもいいので、是非みてください。できれば誰かと話したりせず、じっくり世界に入りながら見て欲しいです。
無題
Hiroicさんがそこまで言うなんて、本物ってことっすね。<br />
絶対に観に行きますわ。<br />
そういえば、この映画に関しての展覧会もやってましたよね。三越だったかな…。ずいぶん前だったけど…。
絶対に観に行きますわ。<br />
そういえば、この映画に関しての展覧会もやってましたよね。三越だったかな…。ずいぶん前だったけど…。
無題
ワタシの感覚そんなに信じていいんすかねぇ。(笑)<br />
何といいうか「よかった!」というよりも見ておくべき秀作といった感じでしょうか。人それぞれ感じ方は違うと思いますが。<br />
ナチスのお話というのではなくて人間たちのお話を見せてくれます。そこが見所かと。
何といいうか「よかった!」というよりも見ておくべき秀作といった感じでしょうか。人それぞれ感じ方は違うと思いますが。<br />
ナチスのお話というのではなくて人間たちのお話を見せてくれます。そこが見所かと。
無題
秀作だと思います。<br />
俳優もスバラシイです。<br />
<br />
しかし、私は素直に泣けませんでした…。<br />
<br />
なんというか、「正義のために命を賭ける」という生き方の危うさ、それを美化することの危うさ、そういったものを強く感じてしまいました。<br />
<br />
ヒトラーの狂信的な支持者は、ヒトラーこそ正義と思っていた(洗脳されていた)わけで、だからこそゾフィーのような人たちを容赦なく糾弾する。「自分が信じる正義のために頑張った」という内面的な意味では、ゾフィーたちとあまり変わらない精神構造だと思います。<br />
<br />
「戦争反対」と叫びながら暴力的な平和運動を繰り広げる人たちの孕む矛盾、みたいなところなんですが、これって結局、西洋世界では多分、解決できない命題なのではないか?なんて考えてました。
俳優もスバラシイです。<br />
<br />
しかし、私は素直に泣けませんでした…。<br />
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なんというか、「正義のために命を賭ける」という生き方の危うさ、それを美化することの危うさ、そういったものを強く感じてしまいました。<br />
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ヒトラーの狂信的な支持者は、ヒトラーこそ正義と思っていた(洗脳されていた)わけで、だからこそゾフィーのような人たちを容赦なく糾弾する。「自分が信じる正義のために頑張った」という内面的な意味では、ゾフィーたちとあまり変わらない精神構造だと思います。<br />
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「戦争反対」と叫びながら暴力的な平和運動を繰り広げる人たちの孕む矛盾、みたいなところなんですが、これって結局、西洋世界では多分、解決できない命題なのではないか?なんて考えてました。
無題
私は反戦の映画というよりも一個人たちの生き方のお話といった印象を受けました。<br />
ああいう題材の場合料理の仕方は大まかに2パターンあって、正攻法で正面から大きいネタを捉える場合と、少し視点をずらすことで個人の話に引き摺り下ろす場合がありますが、この映画は明らかに後者だと思うんですね。日数を5日に限定し、監獄と尋問室のみで展開させて外は音と光と窓からの景色のみっていう作り方で。あくまでゾフィーから見える景色と感じられるすべてだけに視点を合わせて描いて、あえて客観的な情報は切り捨ててるわけです。<br />
あの尋問官もゾフィーもある意味似ているというのは確かですよね。ショル兄妹が政府の力で大学に通いながらも反対運動をするという矛盾点も描かれてますし。私が一番こころ惹かれたのはあの尋問官かもしれません。反対のように見える鏡に映るものは本当は一緒ってことで。<br />
<br />
歴史というのは後から見た時にしか判断できないこともあり、かつ、後から見た判断も時代によって変わるものですから、今後も常に見方は変わるでしょう。歴史学の一番最初に学ぶべきことが過去の研究史で、時代によって常に歴史は変わっていくわけです──というのは私の指導教授の弁でして、インプリンティングされてます。(懐かしいなぁW教授、民衆による歴史観! みたいに叫んでましたよね>くずみっち!)<br />
<br />
あ、私の涙は当てにならないですよ。すっごく涙もろいので偏見とプライドのラブシーンでも泣いてましたし、最近のとある議員の国会答弁でも泣いてましたから。
ああいう題材の場合料理の仕方は大まかに2パターンあって、正攻法で正面から大きいネタを捉える場合と、少し視点をずらすことで個人の話に引き摺り下ろす場合がありますが、この映画は明らかに後者だと思うんですね。日数を5日に限定し、監獄と尋問室のみで展開させて外は音と光と窓からの景色のみっていう作り方で。あくまでゾフィーから見える景色と感じられるすべてだけに視点を合わせて描いて、あえて客観的な情報は切り捨ててるわけです。<br />
あの尋問官もゾフィーもある意味似ているというのは確かですよね。ショル兄妹が政府の力で大学に通いながらも反対運動をするという矛盾点も描かれてますし。私が一番こころ惹かれたのはあの尋問官かもしれません。反対のように見える鏡に映るものは本当は一緒ってことで。<br />
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歴史というのは後から見た時にしか判断できないこともあり、かつ、後から見た判断も時代によって変わるものですから、今後も常に見方は変わるでしょう。歴史学の一番最初に学ぶべきことが過去の研究史で、時代によって常に歴史は変わっていくわけです──というのは私の指導教授の弁でして、インプリンティングされてます。(懐かしいなぁW教授、民衆による歴史観! みたいに叫んでましたよね>くずみっち!)<br />
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あ、私の涙は当てにならないですよ。すっごく涙もろいので偏見とプライドのラブシーンでも泣いてましたし、最近のとある議員の国会答弁でも泣いてましたから。
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